表記の統一を禁ずるなかれ

表記を統一することなかれ。 - Something Orangeを読んで疑問点をいくつか。

  • そこで言及されているテキストに知性があるかないかを見分ける10のポイント - ハックルベリーに会いに行くでは、たとえば「莫迦」と「アホ」を併用するような統一感のなさを問題にしているのであって、ひとつの言葉の表記を場合によって変えることを問題視しているのではないように読める。
  • 引用されている栗本薫の文章では「人」は他人という意味で、「ひと」は人間という意味で用いられているように思われる。もしかしたら文章の美しさを重視しているのかもしれないが、素直に同音異義語を表記で区別したとも考えられる。より適切な例はなかったものか。
  • 森鴎外の例では『舞姫 (集英社文庫)』にリンクを張っているので、そこからの引用だと思われる*1が、平成の文庫本に明治の文豪の表記が忠実に継承されているかどうかは自明ではない。この例もあまり適切ではないのではないか。

追記(2008/09/25)

明治25年の『水沫集』に掲載された「舞姫」の電子データはこちら

追記の追記(2008/09/25)

上のリンク先の「舞姫」は画像データだが、それをテキスト化したものもあることをブクマコメントで知った。

タイトルで既に文字化けとは……。

*1:が、集英社文庫正字正仮名を使っているのか少し疑問もある。