時間がかかるとわかっているゲームをどう扱えばいいのか?

話せば長いことながら、諸般の事情が積もり積もって、一昨日、うみねこのなく頃にを買ってきた。昨年末に発売された最新版だ。
前作のひぐらしのなく頃には、最初に出たゲームを数時間*1やってみて、ただただひたすら登場人物がだべっているだけで全くストーリーが進まないことに苛立って投げ出してしまった。その後、「ひぐらし」は皆さんご承知のとおり目覚ましいメディアミックスを遂げて有名タイトルにのし上がっていったわけだが、最初で躓いてやる気が失せたので、別媒体での展開も一切無視して関わらないことにしていた。
そうこうするうちに「うみねこ」がスタートしたのだが、これはもう最初から完全スルーを決め込んでいた。「ひぐらし」が「……編」と称してやたらといっぱい出ていたから、「うみねこ」も同じような売り方なのだろうし、全体像の見通しがつかないうちに手を出して泥沼に陥る気はさらさらなかったので。ゲームのテンポは「ひぐらし」よりよくなっているという話を聞きはしたが、仮にそれで1本クリアできたとしても、次の回まで半年あいてしまったら、細かな伏線はもとよりストーリーもキャラクターも忘れてしまって、どうせろくにプレイできないだろうとも考えた。
ここでちょっと余談。京極夏彦講談社ノベルスから出ているやたらと分厚い本の話。最初、『姑獲鳥の夏』が出たときには「凄い新人が現れたものだ!」と感心したものだが、次の『魍魎の匣』では早くも食傷して「これ、もうちょっと短くならないかなぁ」と思った。しかし、このシリーズはその後もどんどん厚くなり、さらに一度登場した人物は死なない限り決して退場しないというとんでもないルールのせいで、やたらと登場人物が右往左往して「ほれ、先の○○の事件で……」「ああ、貴方があの時の方でしたか。実は……」などという会話が散見されるようになると、人物相関がきちんと把握できていないので一体何が行われているのかがさっぱり分からず、かといって、分厚い弁当箱本を読み返して確認する気力もなく、置いてけぼりを食らわされたような気ばかりが募ってしまい、結局『絡新婦の理』で音を上げてしまった。その後も多少未練があったので、『塗仏の宴 宴の始末』までは買ったものの、全く本を開くこともなく、結局古本屋に売ってしまった。ああ、もったいない。
シリーズ作品でも水戸黄門のように基本設定だけおさえておけば一話ごとを単品で楽しめるものはいいけれど、そうでない場合には、シリーズが長くなれば長くなるほど負担になってくる。熱心なファンや記憶力の優れた人には苦にならないのかもしれないが、ひとつの作品にかける熱意もなく、間があくと直前のストーリーすら忘れてしまうような、ぬるい人間には長大シリーズを踏破するのは至難の業だ。京極夏彦に限らず、マンガでもラノベでも同じで、シリーズが長期化するとうんざりして投げ出してしまうことが多い。ああ、『狼と香辛料』早く終わらないかなぁ。
閑話休題
そんなこんなで、「うみねこ」は最初から完全スルーのスタンスだったのだが、魔王の人の執拗なほどのプッシュ*2、とりわけ『ハローサマー、グッドバイ』より「うみねこ」のほうが面白いなどという言辞を目にするに及んでカチンときた。これはちょっと懲らしめてやらないといけませんな。だが、そのためには「うみねこ」をプレイしなければならない。しまった、孔明の罠か。節子、それトトロやない、羆や。
で、翌日、某大手ライトノベルサイト管理人に相談したところ、次のような情報を得た。

  • うみねこ」は現在*3第3話まで発表されていて、明日コミケ会場で第4話が発売される。
  • これまで、新作が発表されるとそれ以前の回が同梱されているので、最新の第4話を買えば、過去のものを買う必要はない。
  • ちなみに私*4は1話から3話までずっと買っている。
  • 確か、第4話でいちおうの節目になっているので、同梱はここで打ち止めのはず。第4話から買い始めるというのは、ある意味ではキリがいい。
  • でも、コミケ会場では大行列が出来るから、何が何でも年内にプレイしたいというのでない限り、店頭販売を待ってもいいのではないか。
  • イズナかわいいよ、イズナ。*5

というわけで、年が明けてから日本橋に行ってみたが売り切れだったので、涙さしぐみ、かへりきぬ。これも縁、一生「うみねこ」に出会うことのできない宿命の星の下に生まれたのだ、と思って一旦は諦めたのだが、2週間経って気が変わって、再度「とらのあな」に行ったら、3本残っていたので、そのうち1本買ってきた。
さて、ここで問題です。
うみねこ」を入手したのはいいけれど、いつ、プレイすればいいのか?
うみねこのなく頃に - Wikipediaをざっと流し読みしてみると、家系図だけでうんざりしてくるほどで、たぶん相当うざったい話だということは容易に想像できる。あまり間延びしたプレイでは、途中で登場人物を忘れてしまう公算が大きいため、できれば時間をとって集中的にプレイしたいものだが、現在のスケジュールではなかなかまとまった時間がとれない。
昨年、ゴールデンウィークにひきこもって『カラマーゾフの兄弟』を読んだが、それと同じことをしようとすれば、5月まで待たないといけない。そこまで大がかりに気合いを入れて取り組むこともないような気がするのだが、たとえば週末に1話ずつプレイするというやり方ができるのかどうか。そもそも1話あたり何時間くらい必要なのかがわからないので、予定が立てられないのだ。
かくして、我が家の「うみねこ」は未開封のまま、まだ机のそばに転がっているのでありました。本の山に埋もれる日も近い。
あ、今月発売の一迅社文庫の新刊、早く読まなきゃ。

*1:5時間から10時間の間だと思うが今となってはよく覚えていない。

*2:はっきりとは覚えていないが、これは魔王の人に何かの機会に「うみねこ」を薦められたことへの回答だったのだろう。

*3:2008年12月29日のこと。

*4:=某大手ライトノベルサイト管理人

*5:これは「うみねこ」とは関係がないが、何となく書いてみたくなった。