年の終わりに

一年の締めくくりとして、バッハの音楽を聴くことにした。

アルベルト・シュヴァイツァーの演奏で、「小フーガ」として知られる「フーガ ト短調」をYouTubeで。シュヴァイツァーのバッハは以前ボックス入りのCDを買ったことがあり、その中に「小フーガ」も入っていたはずだが、探すのが面倒なので手軽に済ませることにした。音質は悪いが、もともとモノラル録音で雑音も多いから、まあこんなものだろう。
別にシュヴァイツァーに何か特別な思い入れがあるというわけではない。今はどうだか知らないが、昔は偉人伝の類にはよく取り上げられていた人物なので、子供の頃に伝記を読んで、喧嘩に勝ったから菜食主義者になった*1とは変な人だ、と思ったことがある程度。
一方、「小フーガ」のほうは、子供の頃に初めて意識して聴いたバッハの音楽で、強く印象に残っている。特徴的な主題が単独で歌い出され、続いて応答が始まり、複数の声部が絡み合っていくという音楽は全く未知のものだった。だいたい音楽は一つのメロディと伴奏で成り立っているものだという思い込みがあったので、「このような音楽がこの世にはあったのか!」と驚き、続けてバッハの他の曲を聴きたいと思うようになった。
その思い出の曲とともに、2012年に別れを告げることにしよう。
今年はいい年だった。
来年もいい年でありますように!

*1:と、その伝記には書いてあったと記憶しているが、アルベルト・シュバイツァー - Wikipediaでは喧嘩のエピソードは紹介されているのに、それが原因で菜食主義者になったとは書いていない。