4月に読んだ5冊の本

葡萄園の骨〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

葡萄園の骨〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

下町ロケット (小学館文庫)

下町ロケット (小学館文庫)

あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8)

あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8)

ロマネスク (創元推理文庫)

ロマネスク (創元推理文庫)

1月には5冊2月には6冊、と1桁台だったのが、3月には11冊も読めたが、今月は全然読めなかった。この1ヶ月を振り返ってみると、何かと多忙な中、さんざん浴びるようにミステリを大量に読んでいた気がするのだが、たぶん夢か幻だったのだろう。今朝数えてみるとたったの4冊、しかもうち2冊は絵本だった。これはいけない、と今日慌てて読んだのが『ロマネスク』だった。
これは面白かった。
直木賞受賞作の『下町ロケット』と比較しても全く遜色がない……と言い切ってしまうと語弊があるかもしれないが、『ロマネスク』の圧倒的な読みやすさと展開の速さは特筆に値する。
瀬尾こるとの短篇はいくつか読んだことがあるはずだが、以前のペンネーム「蕎麦米単九」*1の強烈な印象に比して、作品の内容はどれもほとんど記憶に残っていない。まあ、どれも10年以上前に読んだものだから、単に時間の経過とともに忘れてしまっただけかもしれないが。
『ロマネスク』も著しく印象的な小説というわけではないのだが、ミステリとしてもファンタジーとしてもどこか既成の枠から外れる歪さがあり、一種独特の世界を形作っている。強いて似た雰囲気の作家を挙げるとすれば古龍くらいか。
ともあれ、『ロマネスク』についてはもう少し語りたい気もするのだが、時間がないのでやめておく。またの機会があれば是非。

*1:今、ざっと検索してみたところでは、第22回鮎川哲也賞にもこの名義で応募しているので、「瀬尾こると」に改名した後も「蕎麦米単九」を捨てていたわけではないようだ。