スタンスの確認

  1. ある読者が何を読むかは、その読者の関心のほか、その読者の手の届く範囲にどのような本があり、それらの本についてどのような情報が提供されているのか、ということにも依存する。
  2. 興味や関心は私的な事柄であるが、周囲の環境や情報は私的な事柄ではない。
  3. 記念碑的な作品は必ずしも名作だというわけではないし、必読だというわけでもない。
  4. しかし、記念碑的な作品が記念碑的であるという情報は世代を超えて伝達されるべきである。
  5. この「べきである」は個々の読書人に課せられた責務ではなく、ジャンルを支える業界ないし団体に課せられた責務である。
  6. ただし、「業界ないし団体」の内実については、より慎重な検討を要する。