つまらない本を読んでしまった

粗雑で間違いだらけで箸にも棒にもかからない本を読んでしまって腹が立った。腹が立ったものの、悪口は書きにくい。というのは、その本のあとがきに著者がウェブサイトを開設していることが書かれていて、アクセスしてみるとそのサイトの掲示板で読者が「面白かった」「素晴らしい」などと書き込みをしていたからだ。身銭を切って買った本なので著者には恨みがある*1が、読者には恨みはない。今、ここで悪口を書いてしまうと、その本に感動した人々に喧嘩を売ることになる恐れがある。それは不本意だ。よって、その本のタイトルも著者名も書かない。
このような配慮は本来不要であるべきだと思う。本のことは本のことで、人と人のことではないのだから。しかし、なかなかそうは割り切れないのが世の常だ。理想は理想として、ある程度は現実と妥協するのもやむを得ない。

*1:といっても面識があるわけではない。書店の新刊コーナーでその本を見かけるまで著者の名前すら知らなかった。