救急車の科学

黄色い救急車を見かけたときは、その車体の色をよく観察してみよう。
近づいてくるときにはやや青みがかっているけれど、目の前を通り過ぎて遠ざかっていくときにはほんのりと赤くなっていることがわかるはずだ。
もちろん、救急車の車体の色が本当に青から赤に変わるわけではない。黄色い救急車は走っているときも止まっているときも黄色のままだ。
では、目のの錯覚? いえいえ、カメラで連続写真を撮っても色の違いは歴然としているから、これは錯覚ではありません。実は、これはドップラー効果によるものだ。
さて、ここでいくつか問題を提起しよう。

  1. 黄色い救急車におけるドップラー効果は、普遍的な現象といえるだろうか?
  2. 前問に対して、黄色い救急車が人間の発明物であるという事実を考慮する必要はあるだろうか?
  3. 黄色い救急車の車体の色は、その救急車がもつ属性とみなすべきだろうか?
  4. 黄色い救急車の色が変化するように見えるということは、観測者の主観に属することがらだろうか?
  5. まちかどで黄色い救急車が色を変えながら走っているのを本当に見てしまったら、どう対処すればいいのだろうか?
  6. 前問の状況で、黄色い救急車が走り去るのではなく、自分の目の前で停車したら、いったいどうすりゃいいんだろうか?