統計と進化論
銀盤カレイドスコープ〈vol.5〉ルーキー・プログラム:Candy candy all my rules (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 海原零,鈴平ひろ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 文庫
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さて、『銀盤カレイドスコープ』だ。アニメ化だそうだ。でも、我が家では見られないので関係ない。ただ小説を読むのみ。*1
今回、ストーリーと直接の関係はないが、ちょっと感心した台詞があった。
違った。これは呆れた台詞のほうだ。
「日本語でだ。確か……あれだ、マンコーフラグ」
「マ……難攻不落?」
「そうそう、それ。ナンコーフラク。まるで要塞だ」*2
やり直し。
もっとも、この箇所だけなら、単に進化論を巡るアメリカのハチャハチャ騒ぎ*4をからかっただけなので、特に感心することもないのだが、あとがきで冗談めかして書かれている統計の話と合わせて読むと、作者のスタンスが垣間見えて興味深い。
「今年のプログラムよ。せっかくアメリカでやるんだから、ダーウィンの進化論をテーマに滑ったら面白かったのに!」*3
それはとみかく、肝腎のストーリーのほうだが、一旦きれいに完結した物語に無理矢理続篇をくっつけるというライトノベルにありがちな進行のせいで、3巻、4巻あたりでかなりぐらついていたのが、5巻に至って持ち直したようにみえる。これなら次も安心して読めそうだ。
でも、本当は早く『ブルー・ハイドレード』の続きが読みたい。登場人物がいっぱいいるのに間があいてしまうと、誰が誰だったかわからなくなってしまうので。