統計と進化論

最近、もはや読書感想文とは呼びにくいが、かといって評論にしてはできが悪い、という中途半端な文章が続いたが、しんどくなってきたので、そろそろ元のすちゃらか感想文に戻すことにする。
さて、『銀盤カレイドスコープ』だ。アニメ化だそうだ。でも、我が家では見られないので関係ない。ただ小説を読むのみ。*1
今回、ストーリーと直接の関係はないが、ちょっと感心した台詞があった。

「日本語でだ。確か……あれだ、マンコーフラグ」
「マ……難攻不落?」
「そうそう、それ。ナンコーフラク。まるで要塞だ」*2
違った。これは呆れた台詞のほうだ。
やり直し。

「今年のプログラムよ。せっかくアメリカでやるんだから、ダーウィンの進化論をテーマに滑ったら面白かったのに!」*3
もっとも、この箇所だけなら、単に進化論を巡るアメリカのハチャハチャ騒ぎ*4をからかっただけなので、特に感心することもないのだが、あとがきで冗談めかして書かれている統計の話と合わせて読むと、作者のスタンスが垣間見えて興味深い。
それはとみかく、肝腎のストーリーのほうだが、一旦きれいに完結した物語に無理矢理続篇をくっつけるというライトノベルにありがちな進行のせいで、3巻、4巻あたりでかなりぐらついていたのが、5巻に至って持ち直したようにみえる。これなら次も安心して読めそうだ。
でも、本当は早く『ブルー・ハイドレード』の続きが読みたい。登場人物がいっぱいいるのに間があいてしまうと、誰が誰だったかわからなくなってしまうので。

*1:マンガ版は……機会があれば読んでもいいかもしれないが、積極的に読みたいとは思わない。

*2:128ページ。

*3:249ページ。

*4:最近、日本にも飛び火しているようで、ちょっと気が滅入る。