論理の飛躍


もし上の考え方に対して、「うんうん、その通りだ」と言う人がいたら、その人は無宗教ではない。立派な仏教徒である。彼らは自分を無宗教だと思っているが、それは「宗教に入る」というアクションをしていないからそう思っているだけで、実際にはじわじわと仏教に染まっていたのだ。特に「唯一絶対のものはない」が仏教の根本理念である。あとのことはそこから導き出されるものだ。だから、これを信じていれば仏教徒だと言っていいだろう。
必要条件と十分条件がごっちゃになっている。仏教徒なら「唯一絶対のものはない」と信じているというのが真だとしても*1、「唯一絶対のものはない」と信じているなら仏教徒だとは一般には言えないはずだ。
この主張に説得力を持たせるためには、仏教の影響力が極めて大きく、特に意識していない人でも知らず知らずのうちに仏教の考え方を身につけている、ということをこの主張とは独立に先に示しておく必要がある。もしそれができるなら、それなりにからし議論として受け入れることができるかもしれない。

*1:本当にそれが仏教の根本理念かどうかは知らない。