ネコ耳、ウサ耳、ケモノ耳

狂乱家族日記 参さつめ (ファミ通文庫)

狂乱家族日記 参さつめ (ファミ通文庫)

もう『狂乱家族日記四さつめ (ファミ通文庫)』が出ているのに周回遅れもいいところだが、これでもまだ積ん読期間が短かったほうだ。というか、ペース速すぎ。*1
さて、今回はネコ耳とウサ耳のバトルが中心だ。生憎ケモノ耳属性が全くないもので、よくわからないが、果たしてこれはケモノ耳スキーに通用するのだろうか? どうもケモノ耳への愛情が感じられないのだが。
そこで思い出したのはカッシーラとフレイザーとネコ耳メイドが大好きな知人のことだ。ある時、その人は

世にある獣耳系の小説は、その魅力をきちんと書き表していないと思うのです。耳・尻尾がついてるついていないが、イラストでしかわからないような作品ばかり! 尻尾はふさふさしてなんぼだと思うのですよ。
と昨今のラノベに対して苦言を呈していた。件の知人はたぶん『狂乱家族日記』を読んでいないと思うが、まさに「耳・尻尾がついてるついていないが、イラストでしかわからないような作品」だけに、読めばきっと罵詈雑言の嵐が吹き荒れたことだろう。
でもまあ、正直な気持ちを言えば、ケモノ耳なんか飾りに過ぎないと思う。ふさふさした尻尾が好きなら『狼と香辛料 (電撃文庫)』でも読んでればいい。日日日には日日日のいいところがある*2のだから、ネコ耳だのウサ耳だのにこだわっても仕方がない。
というわけで、まとめ。日日日はどんどん成長している作家で、『狂乱家族日記』だけに限っても、1巻よりも2巻のほうが面白く、3巻はより面白い。この先、ヒロインのネコ耳が活用されれば、より一層面白くなるだろう。

*1:3巻と4巻の間は5箇月あいているが、その間に別シリーズが2冊出ている。

*2:狼と香辛料』を引きあいに出したついでなので支倉凍砂と比較してみれば、日日日のほうがたぶん格段に執筆スピードが速いはずで、これはラノベ書きにとっては大きな長所といえるだろう。