南海の残影
天王寺の駅ビルステーションプラザ天王寺の中二階にサンマルクカフェがある。なんと驚くべきことに南海天王寺店*1だ。なんで驚くべきことかといえば、天王寺駅はJRの駅で、南海の路線は乗り入れしていないからだ。
だが、鉄道愛好家なら、南海天王寺支線のことを知っているだろう。その昔、天王寺にも南海電車が走っていたのだ。ちょうどサンマルクカフェ南海天王寺店の下あたりに南海天王寺駅があった。
すると、サンマルクカフェ南海天王寺店は今は影も形もない南海天王寺駅*2の痕跡なのか？ 一瞬、そう思ったのだが、よく考えるとそれはおかしい。というのは、このサンマルクカフェ、いつ開店したのかは覚えていないが、南海天王寺支線が走っていた頃にはまだなかったと記憶しているからだ。そこで調べてみると、サンマルクカフェの1号店開店は平成11年で、南海天王寺店がそれより前に開店していたはずはないから、南海天王寺支線廃線後に開店した店だということが確認できた。
ではいったい……？
さらに調べてみると、どうもこの店は南海商事株式会社という会社が経営しているらしい。南海商事株式会社は南海電気鉄道株式会社の主要駅を中心に、売店、喫茶、食堂の経営を行っている会社だが、天王寺駅にも拠点があるのは、やはり昔南海天王寺支線が走っていたからだろう。そういう意味ではサンマルクカフェ南海天王寺店も間接的には天王寺支線と関係があるといえる。
この話には特にオチはない。
