衝動買い

話は一昨日に遡る。
その日、予定していたまんたんブロードの入手がかなわず、気分がむしゃくしゃしていた。その時、タワーレコードのポイントカードの期限が迫っていることを思い出した。去年の7月に作って、今年の2月に100ポイントたまっていたのだが、その後CDを買う気にならず、ずっと持ったままだったのだ。あと一ヶ月で期限切れなので、この機会に適当に3000円分見繕ってCDを買おうと思った。
なんといい加減な。
だが、いつもこんな感じだ。新譜をチェックしているわけでもなく、特に探しているCDがあるわけでもなく、たまたまぶらりと立ち寄ったレコード屋で特価のワゴンを覗いて手頃な値段のボックスがあれば買うという程度だ。
そこで、タワーレコード難波店に立ち寄ったところ、テルデックから出ているアーノンクールレオンハルトによるバッハの教会カンタータ全集を見つけた。60枚組だ。
いま「教会カンタータ全集」と書いたばかりだが、どうも1番から200番まで全部入っているわけではないようだ。次の番号が抜けている。

  • BWV15
  • BWV53
  • BWV118
  • BWV141
  • BWV142
  • BWV160
  • BWV189
  • BWV190
  • BWV191
  • BWV193
  • BWV200

抜けているのはたぶん偽作か消失したかだと思う。もしかしたら200番は世俗カンタータだったかもしれない。最近記憶力が衰えてよく覚えていないけれど。
さてこのボックス、お値段は税込3,7990円だった。日本人なので4桁区切りで表記する。3桁区切りだと37,990円になる。ちなみに、どちらでも値段は同じだ。
この値段が高いか安いかは価値観によるだろう。1枚あたりの値段に換算すれば633円強だ。う〜ん。その昔、160枚組のブリリアント版バッハ全集を同じくらいの値段で買った記憶があるので、教会カンタータのみでこの値段というのはちょっと高いような気もする。とはいえ、ブランドもの(?)としてはかなり安いのではないかとも思う。
もうひとつ考慮すべき要素がある。それは、この全集に含まれているCDのうち何枚かを既に持っているということだ。あとで家に帰って調べてみたら21枚持っていた。3分の1を超えている。ダブリを控除すれば1枚あたりの単価はぐっと上がって974円強となる。
これは高い。高すぎる。
でも、今持っている端切れCDは自分で買ったものではない。昔、会社の寮で暮らしていたときに、隣に住んでいた先輩が急に転勤することになって、その時にまとめて貰ったものだ。それからじきに別の会社に移ったので、その先輩が今どこで何をしているのか知らないのだが、今でも元気だろうか?
ただで入手したCDを勘定に入れないとすると、元通り1枚あたり633円強となり、さらにポイントを使って3000円引けばもっと安くなる。レシートを見ると、ポイント値引額は3150円になっていた。これはたぶん、昔は税抜価格からポイントを差し引いてから税を加算していたのが、内税表示になったために、ポイントを1.05倍して差し引くようになったという事情なのだろう。値引後の価格は3,4840円なので、1枚あたり581円弱だ。これは結構安いような気がする。
結局、気分がむしゃくしゃしていたこともあって、ついカッとなって買ってしまった。ここまで書いてきた計算はあとで冷静になってから行ったものだ。
さて、タワーレコードのポイントカードは通常500円ごとに1ポイントたまるのだが、たまたま輸入盤を6000円以上買うとポイント2倍になるキャンペーン期間中だった。で、この一回の買い物で新しいポイントカードがいっぱいになった。なんだか得をしたような気になった。資本主義の罠だ。恐ろしいことであることよ。まあ、次にCDを買うのは数ヶ月後だろうとは思うが。
ともあれ、これで今月は一気に財政難に陥ることとなった。次の給料日までしばらく本を買うのは控えることになりそうだ。
あ、今月の電撃文庫の新刊……どうしよう。