人はなぜ孤独を癒す物語に惹かれるのか？

悪魔とドルチェ 第1巻 (花とゆめCOMICS)

『カラクリオデット』の作者の作品。『カラクリオデット』は非常に面白く愛読している*1ので、『悪魔とドルチェ』も書店で見かけて即買いを決めた。
『カラクリオデット』に比べるとコメディ色が強いが、通底するものは同じだ。それを「せつなさ」と呼んでしまうと湿っぽすぎる。もっと硬質で透明な何か。言葉にはしにくいのだけれど。
一読して、何となく見出しに掲げたようなことを考えてみた。たぶん、この設問は逆転しているのだろう。孤独を癒す物語に惹かれるような人が、趣味としての読書に時間を割くのだ。『悪魔とドルチェ』の主人公にとってのお菓子作りは、孤独な読者にとっての本読みに相当する。いくら本を読んでも悪魔を召喚することはできないのだけれど。
『悪魔とドルチェ』を読んでいない人はもとより、読んでいる人にとっても意味不明な感想を書いてしまったが、それはともかく、『悪魔とドルチェ』はさまざまな層の人々にお薦めしたい作品だ。

*1:と言っているくせに、3巻が出ていることに気づかなかった。今度買ってこよう。