孤独な商店街

今日は予定通り佐世保に行ってきた。有田から松浦鉄道に乗って伊万里で下車し、東西に分断された伊万里駅の惨状*1に憤慨し、たびら平戸口*2で下車して、特に何も見るものもない街並みを見て歩き、佐世保中央で下車して本日の目的地であるアーケード街を散策した。
佐世保のアーケード街は直線距離では日本一の長さらしい。日本一長い商店街は大阪の天神橋筋商店街だと聞いた記憶があるが、あっちは全部アーケードで覆われているわけではなく、途中、途切れているところもある。佐世保の商店街*3はずっと一続きなので日本一ということなのだろう。ほんとうかどうかは知らないけれど。
さて、佐世保の商店街はそんじょそこいらの商店街とは一味違う。なんと人が歩いているのだ! 話には聞いていたが、実際に商店街を人々が行きかう姿を見て、一瞬、夢を見ているのかと思った。今日の午後1時過ぎのことだ。ああ、凄いよ。藻谷さん!*4
感動のあまりアーケード街を端から端まで歩いていると、背広服姿の人を2組見かけた。どうみても買い物に来たようには見えなかった。たぶんどこかの商工会議所か市役所の人が視察に来ていたのだろう。それ以外の人は地元住民が大部分で、たまに観光客を見かける程度だった。30年前なら日本中のあちこちの商店街でごく普通に見られた風景だ。去年、吉祥寺で同じように商店街に人が歩いているのを見て「ああ、やっぱり東京は違うなぁ」と思ったものだが、佐世保のような地方都市で、絶滅寸前の「賑わいのある商店街」にお目にかかれるとは……。
感動しつつ、中佐世保*5まで戻って、そこから列車に乗り、佐世保駅で下車して松浦鉄道完乗達成。無事、佐世保バーガーレモンステーキも食べたので、一路、長崎へと向かった。
長崎での目的は長崎電気軌道完乗で、着いたのが夕方5時過ぎだったのでグラバー園と中華街は諦めていたのだが、駅の観光案内所で聞くとグラバー園は夜9時過ぎまで空いているということだったので、ちょっと色気を出して行ってみることにした。駆け足で各建物を巡り、皿うどんとちゃんぽんを食べ*6、ついでに中華街まで足をのばして、結局路面電車を全部乗り終えたのは9時半頃のことだった。ぜんぜん景色が見えなかったので、今度機会があれば、もう一度乗ってみることにしようと思う。
ともあれ、これで今回の旅行の目標はすべて達成した。あとは帰るだけ。孤独な旅だった。

*1:もとは同じ駅だったJRの伊万里駅松浦鉄道伊万里駅を分けて、その間に大通りを作ってあった。両駅ビルの2階を結ぶ連絡通路があるのでそこを通れということなのだろうが、すぐ目と鼻の先にある駅へ行くのにわざわざ2階へ上がるのは馬鹿らしいので、自動車が頻繁に走っている大通りを横切る人の姿をみかけた。なんと、両駅の間には横断歩道すらないのだ! 全くもって愚かしい所業と言わざるをえない。

*2:沖縄のゆいレールが開通するまではこの駅が日本最西端だった。今でも鉄軌道鉄車輪の「鉄道らしい鉄道」のうちではここがもっとも西であることに違いはない。

*3:四ヶ町商店街三ヶ町商店街というふたつの商店街と佐世保玉屋百貨店をあわせて「さるくシティ4○3」と称するらしいが、現地ではそのような表示を見かけなかった。

*4:日本政策投資銀行の藻谷浩介氏のこと。勢いで「藻谷さん」と呼びかけてしまったが、別に知り合いでも何でもない。

*5:佐世保中央の隣の駅。駅間わずか200メートル!

*6:飽きたはずだが、でもやっぱり長崎に行ったら食べたくなったのだ。