傑作の予感がする

琴子の道 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

琴子の道 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

このマンガの主人公は、タイトルにもなっている琴子という少女。病弱な母親とふたりで生活保護を受けて暮らしているが、生活費を切りつめて5万円の月謝を払って歌謡学院に通っている。将来は歌手になって母親に楽をしてもらいたいというのが琴子の夢だが、実は母親は不治の病で余命いくばくもない。また、琴子の歌う歌は古臭くて、学院内でもひとり孤立している……というベタすぎるほど悲惨な幕開けから、どんどん成功への階段をのぼっていくサクセスストーリーになるのだと思うが、1巻の段階では医者の娘にいじめられたり、車にはねられたり、大金持ちの家でいびられたり、と不幸な出来事のほうが多い。さて、これからどうなるのか。
テンポが非常によくて、B級メロドラマ要素がギャグかシリアスかわからない絶妙のさじ加減で盛り込まれている。これはもう傑作になるしかない、と予感する。あとは、途中で打ち切りにならないことを祈るのみ。