現時点で最高傑作

結論から先に言ってしまうと、たいへんな傑作。これまで『誰の死体?』から『毒を食らわば』まで(多少順番通りではないにせよ)全部読んできた僕としては、現時点でセイヤーズの最高傑作と言っても過言ではない。

「現時点でセイヤーズの最高傑作」という箇所を読むと、「セイヤーズの今後の活躍に期待!」と続きそうな気がして、奇妙な感覚に囚われた。「現時点」がセイヤーズの創作歴における現時点ではなく、筆者の読書歴における現時点であるのは明らかだから、別にけちをつける気はない。