鉄道いろいろ駅もいろいろ

駅が郊外に設置されたのは、諸説あるだろう。私は「汽車の煙や騒音が酷いからだ」と思っていた。大学時代に、教師にそのことを尋ねると「人の交通が多いからではないか。しかも土地以外の人間も入ってくる。つまり変な人間がやってくる危険な場所だから郊外に作られたのではないか?」と仰った。

「鉄道忌避」というものについては、これを後世から鑑みた場合、「地元の先人の有力者に先を見る目の無い者がいて、結果として町を衰退させた」という地元の恥の歴史という一面がある。この為、この鉄道忌避がなされたとされる場所でも、ほとんどのケースではそのような伝説を裏付ける具体的な資料が残されておらず、現在見られる記録の多くは古くからの地元住民の口伝を昭和期以降の地元史家が市町村史誌に編纂したものなどである。その市町村史に掲載されたため「事実」として認識されてしまい、やがては小学校の社会科で用いられる副読本にも掲載されて、小学校の授業でも使われることにより「伝説」がさらに拡散して、それを事実と信じるもの、あるいは誤認識してしまう者が現代に於いても増えているのである。