限界集落の水源の上流の川上

限界集落の水源限界集落の水源の上流に続く「限界集落源流探訪三部作」*1最終章!
さっき、はまぞうで「限界集落」で検索すると、こんな本がみつかった。

高距限界集落―おもに中央日本を例として (1974年)

高距限界集落―おもに中央日本を例として (1974年)

えっ、1974年?
限界集落」という言葉はもしかしたら1980年代まで遡れるのではないかと思っていたが、さらに前に使用例があったとは知らなかった。
だが、現在使われている「限界集落」とは意味が異なるようだ。

○今から10年前に地理学者の山口源吾先生が「高距限界集落」という言葉を使い始めたことが語源なのだ。高くて遠いという意味である。

○昔、機械などなかったころ、人間が手作りの道具と自分の手足を使い、もう開墾できる最端まで開墾を進めた高所である。

さらに調べてみると、「高距限界」という地理学用語があるらしい。高度が上がれば上がるほど寒くなるので、作物が育ちにくくなる。作物を栽培できるぎりぎりの高度*2のことを「高距限界」と呼ぶようだ。で、その高距限界に位置する集落のことを「高距限界集落」と呼んだわけで、字面の上では「限界集落」が含まれているが、「高距『限界集落』」ではなく「『高距限界』集落」なのだから、これをもって「限界集落」の語源とみなすのはちょっと無理っぽい気もする。
ところで、「限界集落」といえば、そのままずばり

限界集落ーMarginal Village

限界集落ーMarginal Village

という本が出ているらしい。機会があれば一度読んでみたい。

追記

上で言及した『限界集落』は写真集*3で、それに関連した写真展が東京で開催されているらしい。

梶井照陰 写真展
限界集落 - Marginal Village

2008年2月20日(水)- 3月16日(日)

12:00 - 20:00(初日と日曜は18:00まで) 会期中無休

*1:今思いついた。

*2:もちろん、作物の種類によって限界も異なる。

*3:でも、文章と写真が半々くらいだそうなので、純粋な写真集とも言い難い。こういう本のことを何と呼べばいいのだろう?