存在意義が疑われる存在

まず,札幌を07:40に出る都市間高速バスに乗り,6時間かけて稚内へ。札幌‐稚内には鉄道も走ってはいますが,所要時間は大して変わらないのに料金は2倍(鉄道10,970円,バス5,500円)と存在意義が疑われる存在。

交通関係に特に興味も関心もない人に「そもそもなぜバスと鉄道にこれだけの価格差が生じてしまっているのか?」というような疑問を抱くことを求めることもできないから仕方がないのだけど、「存在意義が疑われる存在」などとバッサリやられてしまうと鉄道好きにはたまらない*1
都市部では道路交通抑制の動きもぼちぼち出てきてはいるが、地方ではまだまだ道路が優勢で鉄道は衰退する一方だ。先日、三江線とか姫新線とかを乗りつぶしているときに、そのことを改めて実感した。急行が全廃されて、普通列車のダイヤもずたずたになり*2、おまけに保線も十分にできずにのろのろ徐行運転を強いられている鉄道の傍らに立派な道路があって、高速バスがすいすいと走っているのだから。
地方鉄道の衰退はこれからも続くだろうし、廃止の流れは止めようがない。それで誰も困らなければいいのだけれど……。旅行者の立場からは「存在意義が疑われる存在」と軽く感じるような鉄道でも、地元の人にとっては必要な場合もある。まあ、「鉄道は必要だ、などというのは地域エゴだ。鉄道がないと暮らしていけないのなら、引っ越せばいい。日本には移動の自由があるから誰も止めはしない」などと言う人もいるけれど。

*1:ここでいう「たまらない」とは、「たまらなく楽しい」とか「たまらなく面白い」というような意味ではありません、念のため。

*2:三江線では途中の駅で2時間近く待たされた。