どうした、オフィーリアよ

今日の見出しはクレイグ・ライスの短篇*1から。でも、本文はライスとは全く関係がない。
今日の予定で書いたとおり、平成筑豊鉄道筑豊電気鉄道に乗り、北九州界隈の鉄道は全部乗りつぶしたが、まだ時間が余っていたので、北九州市立美術館に行ってみることにした。
事前に下調べしたとき、交通案内のページを見て、かなり行きにくそうな感じがしたので訪れる予定はなかったのだが、昨夜、北九州モノレールの駅に貼ってあったジョン・エヴァレット・ミレイ展のポスターを見て急に行きたくなってきた。そのポスターに使われていたのは、有名な「オフィーリア」という絵*2だが、無性にその現物が見たくなったのだ。
ジョン・エヴァレット・ミレイ展は今月17日まで北九州市立美術館で開催された後、30日から東京のBunkamuraザ・ミュージアムに巡回する。そっちのほうが駅から近くて行きやすそうだが、さすがに展覧会ひとつのために往復3万円かけて東京に行く気にはならないし、どうせ東京展は人でいっぱいだろうから、この機会にちょっと無理してでも北九州で見ておこうと思った。
……北九州でも人でいっぱいだった。油断した。
交通不便だから人が少ないだろう、というのは鉄道を基準にした考え方で、九州ではバス網が発達しているから感覚が違うのだろう。それに、自家用車利用なら、道さえついていればどこへだって行けるのだし。
予想よりも混んではいたものの、「人の頭しか見えなかった」というほどではなく、目当ての「オフィーリア」を始めとする名画の数々を十分堪能することができた。「ラファエル前派」とか「唯美主義」とかはよくわからないし、風景画の中には「実はこれはジャン=フランソワ・ミレー*3が描いたんだ」と言われてもたぶん「へー、そうなんだ」と言ってしまいそうな作品もあった*4が、まあ、見て感銘を受けたならそれでよし、ということで……。九州方面に住んでいるか、または近々九州に行く予定のある人は是非鑑賞していただきたい。
ところで、作品そのものはどうでもいいのだが、ウィルキー・コリンズ肖像画があったのには驚いた。ミレイはコリンズの弟と親交があり、その縁でコリンズの小説の挿絵も手がけているそうだ。
最後に余談。
帰りに書店でこんな本を見かけた。
豹頭王の苦悩―グイン・サーガ〈122〉 (ハヤカワ文庫JA)
んー、書影が出ない? じゃあ、楽天のほうで。
豹頭王の苦悩 グイン・サーガ122 (ハヤカワ文庫) [ 栗本薫 ]

*1:ここをみると、どうやら雑誌掲載されたままで短篇集には収録されていないようだ。

*2:オフィーリア - Google イメージ検索でいくつも出てくるから、たぶん有名なのだろう。でも西洋美術史にはあまり通じていないので、作者名も作品名も昨日まで全然知らなかった。

*3:ジョン・エヴァレット・ミレイのほうも「ミレー」と表記することがある。たとえばウィキペディアでは「ミレー」を採用している。

*4:などと書くとこの人に怒られそうだが。あ、ミレイのページもあったのか!