全然関係ないけど「せいしをかけろ」という歌を思い出した

 二階の文庫コーナーも巡回して、ついでに調べ物をしようと検索機の前に行ったら、18、9歳の娘さんが一人、メモを片手に真剣な顔でなにかを打ちこんでいた。なに探してるの、なに読みたいの、と後ろからそっと覗きこむ。
 がーん。

 名前 よこみぞまさし
 書名 しんじゅうろう

 ちがう、ちがうよ、まさしじゃないんだよ、と言いそうになるけど知らない人なのでぐっと言葉を飲みこむ。あぁ、あぁ、知らない人になれなれしく話しかけない、という自分を律するかせをはずし、こんなときだけでもおばさんとして生きることができたら……。自意識のばかやろう……(?)。
 女の子は、あぁ、やがてあきらめて検索機の前からとぼとぼと去ってしまう。(わー! どっちも微妙に読み方がちがうんだよー! 待てー!)と心の中で唱えるけど、届かず。

真珠郎―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)

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真珠郎 (角川文庫 緑 304-16)

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真珠郎―名探偵・由利麟太郎 (あすかコミックスDX)

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横溝 正史(よこみぞ せいし、1902年5月24日 - 1981年12月28日)は、日本の小説家、推理作家。本名は同字で「よこみぞ まさし」。当初は筆名も同じ読みであったが、誤読した作家仲間にヨコセイと仇名されているうちに、セイシをそのまま筆名とした(エッセイ「本名と筆名)。現在の兵庫県神戸市中央区東川崎町生まれ。