惨・ジョルディの日

4月23日は、大切な人に本や花を贈り合うサン・ジョルディの日。例年、書店や出版業界などで組織する「サン・ジョルディの日実行委員会」がさまざまなイベントを企画して普及に努めてきたが、この不況でスポンサーが出資を取りやめたこともあり、今年3月いっぱいで解散を余儀なくされた。今年は全国の書店が独自に継続の道を模索している。

花はともかく本を贈るというのはいろいろ煩わしいことが多い。自分が読んで面白いと思った本を贈っても相手も面白いと思うかどうかはわからないし、相手がすでに持っている本を贈ってしまったら無駄になる。相手が欲しがっているのがわかっていて、かつ、まだ入手していないことが確実な本を選ぼうとすれば、本人に尋ねるしかないが、そんな贈り物には意外性がない。いいものは意外性などなくてもいいものなのだから全く差し支えない、と割り切れる人なら、本ではなくてカネを贈るべきだろう。
そんなわけで、サン・ジョルディの日は衰えるべくして衰えたのだと思う。まあ仕方ない。
これまで、サン・ジョルディの日に本の贈答を行った経験は一度もないから個人的には全く実害はないし、とりあえず今年も春の書店くじは実施されているから何も問題はない。