駅員のいる無人駅の謎

前に書いたかもしれないけど、以前、お伊勢さんに行った時のこと。
伊勢市駅に降り立って自販機でジュース買って、飲み終わったのでゴミ箱に空き缶捨てようと思ったらゴミ箱がない。どこを探してもない。
で、改札口にいた駅員さんに、聞きました。
私「すいません、ゴミ箱ありませんか?」
駅員さんは言いました。
駅員さん「ここ、無人駅なので、ゴミ箱とかないんですよ。テロとかの関係で」
私「へー、無人なんですかー(´ω`) 」
じゃあお前は一体誰なんだよ!(゚Д゚)
実話なんですけど、いまだに不思議。
あれは誰だったんだろう。
改札窓口の中にいて、駅員の恰好してたんですけど。
真昼間だったので怪談というわけでもないです。
wikipediaによると、別に無人駅というわけではないのですが……。

原文は文と文の間がもっとあいているが、スペース省略のため単純改行に留めたことをお断りしておく。
以下、この謎に対するひとつの「解答」を示す。ただし、正解ではない
無人駅というのは駅員のいない駅のことだから、駅員がいるのに無人駅だというのはおかしい。これが、上のエピソードの核心だ。この謎には二通りの解決の方法がある。

  1. 実は駅員に見えたのは駅員ではなかった。
  2. 実は無人駅ではなかった。

前者の場合、駅員に似た服装の人物を見て誤認したという可能性が考えられるが、仮にそうだとして、なぜその駅員もどきが伊勢市駅無人駅だと言ったのかという謎がある。これは、後者をとった場合でも生じる謎だが、前者のほうは、かてて加えて駅員に似た服装の人物が何者だったのかという謎をも引き受けなければならず、思考経済上、得策ではない。
従って、後者を採用することにしよう。
さて、駅員はなぜ有人駅を無人駅だと言ったのか? 嘘をついたのだろうか? もちろん、誰でも嘘をつくことはある。だが、この状況で嘘をつく動機を推測するのは困難だし、そもそもこの嘘はすぐにばれる。駅員は嘘をついたのではない、と考えたい。
となると、聞き手のほうに問題があったのではないか。要するに、聞き間違えたのではないか。「無人駅」と聞き間違える可能性のある言葉で、しかも上の会話の文脈に当てはめたときにちゃんと意味が通る言葉は何か?
 チキンラーメン3杯分くらい考えた。余計なことだが、チキンラーメン3杯に続けて湯を注いだ時間ではなくて、1杯が食べられる状態になってから2杯目に、さらに2杯目が食べられる状態になってから3杯目に湯を注いでさらにそれが食べられるようになるまでの時間のぶんだけ考えたのだ。さらに余計な註釈だが、これはものの喩えであり、実際にチキンラーメンに湯を注いだわけではない。
無人駅」ではなく「無尽駅」だったのではないか。
一般にはあまり知られていないが、無尽駅というのは何かが尽きることなく存在する駅のことだ。この場合だと空き缶などのゴミが尽きることなく次から次へと溢れかえる駅ということだろう。そんな駅にゴミ箱を置いても駅構内美化には全く訳に立たない。そこで、伊勢市駅にはゴミ箱がなかったのだ。
しかし、もしそうだとすると、上の文章に、辺りに散乱するゴミについての記述がないのはおかしいではないか?
然り。
「無尽駅」説はゴミ箱に捨てることにしよう。
ほかには「無塵駅」も考えられる。これも一般にはあまり知られていないが、読んで字の如く、塵芥の類が全く存在しない駅、それが無塵駅だ。もちろん、ゴミがないのだからゴミ箱があろうはずもない。
無尽駅と無塵駅は全く正反対の状態の駅ではあるのだが、ともにゴミ箱を置く意義がないという点で共通している。これは考えてみれば興味深いことだ。しかし、この話題に深入りするのは避け、今はただ、一つの「解答」を示したことに満足することとしよう。

まとめ
駅員が発した「ムジンエキ」とは無人駅のことではなく、ゴミのない無塵駅のことだった。

以上!

余談

もう今から4年も前のことだが、愛知万博に行ったついでに伊勢市駅に立ち寄ったことがあるが、その当時はJR側、近鉄側ともに改札口には駅員が常駐しており、売店もあったと記憶している。もちろん、改札口の近くにはゴミ箱もあったはずだ。上で紹介したエピソードがいつの事なのかがわからないので即断はできないのだが、一読したところ伊勢市駅での出来事とは思えなかったことを、ここに附記しておく。

追記

しまった! 同じネタ先に書かれてた!