モーニングサービスとは朝の礼拝のことか?

はてなブックマーク - 岡山市:外部監査 平成20年度 包括外部監査書 平成20年度報告書 第8章(図書館について)経由で報告書【PDF】を読んでみると、次のような一節*1があった。

岡山市図書館の統計等では「職員1人当たりの奉仕人口(F/L)」という用語が使用されているが、職員は何も無償奉仕しているのではなく給与の支払いを受け職務として行なっているのであるから、「奉仕」という言葉が誤解される可能性があるので監査人としては「職員1人当たりの貸出冊数(G/L)」という表現を用いている。

んー、これは言いがかりに近いように思う。
一般には「奉仕」というのは対価を求めない無償の活動を指すことが多いが、ここで言われているのはもちろんそういう意味での「奉仕」ではなくて、図書館奉仕のことだろう。

図書館が行っているサービスを「図書館奉仕(英:Library Services)」といい、代表的なものには次のものがある。

  • 貸出 lending service
  • 複写 copy service
  • リクエスト・予約 request service
  • 参考業務(レファレンスサービス)reference service
  • 相互貸借 interlibrary loan

この言葉は図書館法第3条で説明抜きで用いられている。初めてその条文を読んだときには面食らったものだが、厳密さを尊重する法律でさえ定義を行うことなしに使っているくらいなのだから、図書館業界では基本的な語彙に属するものなのだろうと思う。
業界人の間でしか通用しないジャーゴンに外部監査人が違和感を抱いたのは無理のないところだが、でも無償奉仕のことだと「誤解される可能性がある」とは思えないのだが……。また、仮に誤解のおそれを避けるために表現を変える必要があったとしても、それが指標を変更する合理的な理由にはならないのは当然のことだ。なぜ、住基人口を指標として用いるのではいけなくて、貸出冊数を用いなければならないのだろうか?

*1:報告書の228ページ。PDF文書の28ページ。