商店街の人たちは本当に「賑わい」を求めているのだろうか?

よく「賑わいのある歩いて暮らせるまちづくり」などというスローガンを掲げて中心市街地活性化事業を行っているのを見かける*1が、その土地の商売人はどう思っているのだろう、と首を傾げる。
人集めのために金をかけてイベントを仕掛けたところで、集まった人が商店街本来の客層と違っていたら、ついで買いは見込めないし、イベントに来た人たちがそれをきっかけに「まちの魅力を発見」してリピーターになるとも考えにくい。だったら、そんな人々は商店主にとっては、客でもなんでもなくてただの通行人に過ぎない。
一方、商店街がシャッター街と化して人通りが絶えたとしても、郊外に進出した支店やインターネット通販などで順調に商品が売れるなら、商売人は何も困ることはないわけで、そう考えると「賑わい創出=商店街の活性化」という図式はかなり怪しくなってくる。
行政や市民活動家の中には、その土地の商売の実態をあまりよく見ずに、過去の栄光の時代へのノスタルジーやら、「先進地」の「成功事例」などに囚われて、勝算のない無謀な企画を立てたり実行したりする人がいるのではないかと時々思うのだけど、これ以上具体的な話をすると後でばれたときに困るので、ぼかしたままにしておこう。

*1:たとえば、このあたりのこと。