ガム2個専用自動販売機

ふだんはめったにガムを買わないのだが、今日、遠出をした帰りに高速道路で眠気を催したので休憩するためにサービスコーナーに車を止めたところガムの自動販売機があったので、眠気覚ましのためにガムを買おうと思いついた。そこで、自動販売機に近づいたところ、何やら妙な注意書きがある。メモをとっていなかったので不正確な引用になるが、概ね次のような文言だった。

これは2個販売専用の自動販売機です。ガムを1個だけお買い求めの場合は店内へ。

いや、店内で買えと言われてももうしまっているし……。
2個で210円、たいした金額ではない。仕方がないので2個買うことにした。どうせなら同じガムを2個買うのではなく別の種類のものにしようと思ったのだが、1つめのボタンを押したらすぐに同じガムが2個でてきた。なんだ、「よりどり2個」という意味じゃなかったのか。
釈然としないものを思いつつ車に乗り込み、ガムを噛みながら考えた。あの自動販売機はなぜ2個販売専用だったのか。
しばらく考えてひとつの仮説が閃いた。
2個で210円ということは1個だと105円だ。上でも書いたとおりふだんガムはほとんど買わないので1個いくらで売っているものかよくは知らないのだが、税込で105円という定価を設定しているということは不自然ではない。しかし、自動販売機で105円の商品を売るのは難しい。なぜなら、自動販売機は5円玉に対応していないからだ。
思い起こせば、飲料にせよきっぷにせよ5円玉が使える自動販売機というものを見かけたことがない。両替機なら5円玉に対応しているものもあるから、機械では5円玉を認識できないということはないのだろうが、自動販売機では10円未満の端数のない価格に設定することで、硬貨認識システムを簡略化しているのだろう。
一方、ガムは店頭販売が主だから、あえて数字を丸めることはせずに105円という単価に設定してあるのだろう。そうすると、5円玉が使える特殊な機械を導入しないと1個ずつ自動販売機では売れない。いや、自動販売機では110円で売ればいいのではないか。うん、それでも対応できるはずだ。しかし、すぐ隣の売店では105円で売っているのに自動販売機では5円高いというのは具合が悪い、と考えたのかもしれない。そこで、2個専用の自動販売機にしたのだろう。
この考えが正しいかどうかはわからないが、いちおう筋は通っていて目立った難点はないように思われたので、納得して家に帰って今この文章を書いているのだが、それにしても同じガムを2個買ったのは無駄だったという気分がどうにも拭い去れない。なんだかなぁ。