日本熊森協会永久顧問

最近話題の日本熊森協会の活動については、ならなしとりを初めとして、各所で批判的検討が行われている。
だいたい論点は出尽くした感があるのだけど、何か新しい視点から取り上げることはできないかと思っていろいろと調べてみたところ、熊森の顧問一覧の筆頭に掲げられている東山省三という人物の名が目に留まった。
ぐぐってみると、西博義のエッセイ(紀の国のクマ博士)という紹介記事が見つかった。ここから2箇所引用しよう。

まず、クマの確認情報を県下各地から取り寄せはじめ、何年にもわたった詳細な記録を保存されており、今では県の担当課や環境庁もその情報を頼りにしているまでになっている。

さらに東山さんは広大な紀伊山脈の中の、クマのよく通る高山地帯に土地を借り、クリの木を植え、山芋のたね「むかご」を蒔きはじめたのである。

野生動物は一度食べ物を拾ったところは正確に記憶していて、忘れることなく再び戻ってくる。1年中高山帯を回遊して食物を得られる環境作りが、本当の野生動物の保護対策でなければならないと東山さんは言う。

私は東山さんに、クマの身になって人間が注意してほしいことをたくさん教えていただいた。それらのひとつひとつが、クマと共生してきた私たちの祖先の常識であったはずであると思いながら……。

例えば、山の中腹にあるお墓に参るときは、リンを鳴らしながらクマに警戒心を与え、お供えに持って行った食べ物や果物は、お参りが終われば持ち帰ること。

家の近くの柿の木に残っている柿は、食べる予定がなくとも、野鳥が食べるよう、高い所の数個を残して取ってしまうこと。

林道の道端に弁当の食べ残しを放置するとクマがそれを食べ、おいしい食事に引き付けられて弁当あさりをはじめるので、食べ残しを放置しないこと、などなど。

現在の私たちには、クマが一方的に人間の領域に攻め込んできているとしか思えないのだが、こうした不注意がクマたちを人間の近くに引き寄せているのである。

東山氏本人の文章ではないということを差し引いても、なかなか意味深長だと思う。
そこで、さらに調べてみるとこんな記事があった。
順番に読み進めていくと……あ、あれ? 山にドングリまいてる……