空に星の輝きを


『夜のかけら』はさすがにキャラクター描写多すぎだろうと思わないでもないのですが、ライトノベル風のショートショートを書きたいというのが念頭にありましたから、これはこれでいい自分では思っています。ショートショートといえども、キャラクターが魅力的であるに越したことはありませんからね。*1
ショートショートについて何か根本的な勘違いをしているように見受けられる。単に「短篇の短いもの」という捉え方なのだろうか?
私見では、ショートショートとはアイディア一本勝負の小説だ。多くの場合、それはオチのどんでん返しという形であらわれるが、状況設定の斬新さを売りにするものもある。いずれにせよ、登場人物はアイディアを具現化するための駒にすぎない。ショートショート人間を描いてはいけないということはないが、人物を描いてはいけない。それを描いてしまっては、もはやショートショートではない。キャラクターの魅力など、ショートショートにとっては不要であるばかりか、有害ですらある。
……と挑発的な極論を書いてみたが、この意見に賛同する人もしない人も、実際問題としてショートショートの枚数ではキャラクター描写を行う余裕がないことはわかるだろう。33枚の『夜のかけら』はその長さからみてもショートショートではなく短篇だ。*2これをあえてショートショートの文脈で語ることに何か意義があるというわけでもない。

*1:強調は引用者

*2:小説の長さという外形基準は目安のひとつに過ぎないから、33枚でもショートショートと呼べるものがないとは言い切れないが、そのような作品がもしあったとしても例外中の例外だろう。