神栖麗奈の舞い散る時間

神栖麗奈は此処に散る (電撃文庫)

神栖麗奈は此処に散る (電撃文庫)

神栖麗奈は此処にいる (電撃文庫)』の続篇、というか前日談。前作の感想文で、「神栖麗奈はプラトンであり、それに対峙するアリストテレスが『神栖麗奈は此処に散る (電撃文庫)』に登場するはず(大意)」と予想したが、ものの見事に外れた。アリストテレスって何? それって喰えるの?
強いてアナロジーで語るなら、今回の神栖麗奈はイエスとマリアの一人二役、河合さくらはペテロ、三津井千美はピラトとでも言えるかもしれない。神栖聊爾の役どころはちょっと思い浮かばないし、この構図で当然重要な役割を果たすべきユダが登場しない*1ので、相当いい加減なたとえだが。
ともあれ、人間が妙な思考に取り憑かれてどんどんおかしくなっていくさまはよく描けていたように思う。あとは……もう少し描写を引き締めて短くまとめてほしい。

*1:182ページ最終行から183ページ最初の行にかけて台詞が出てくる名無しの人物をユダに当てはめることはできるかもしれないが、かなり無理っぽい。