鬱から熱闘へ

火目の巫女〈巻ノ2〉 (電撃文庫)

火目の巫女〈巻ノ2〉 (電撃文庫)

前作『火目の巫女 (電撃文庫)』は比較的静かな締めくくりの物語だった。こういうのを世間*1では「鬱展開」とか「鬱エンド」と呼ぶらしい。読むんだ読者が鬱になるということだろう。あまり物語の登場人物に感情移入しないので、今ひとつピンとこないのだけれど、こういうのが苦手な人もいるのだろう。
で、続篇はどうなっているのかといえば、前作から大きく方向転換して、熱気溢れるバトル路線への第一歩を踏み出したようだ。意味ありげなエピソードが挿入され、作中世界の背景が少しずつ見えてきているので、次作以降への下準備も万全なのだろう。
前作では巨乳巫女さんの入浴シーンという読者サービスがあったが、今回はそのような要素は影をひそめている。そのかわりに、むくつけき大男の笑ってるんだか歯をしかめてるんだかわからない表情がどアップで出てきて*2ちょっと驚いた。
で、読み通してみた感想はどうだったかといえば、まだ何ともいえないというのが本心だ。面白い場面や描写は多いのだが、どうも全体像が見えてこないというか、まとまった印象が持てないというか……。確か9月くらいに次の巻が出るはずなので、もう一冊読んでみることにしよう。

*1:かなり偏った「世間」だと思うが。

*2:171ページのイラスト。