誰が風を見たでしょう?

知人に、哲学書ならカッシーラから飯田隆まで、マンガなら平田弘史から的良みらんまで、小説なら横山秀夫から今野緒雪まで、と非常に幅広く読んでいる読書家がいる。少し前まで「鶴屋」というハンドルで同名のサイトを運営していたが、今後の人生に不安を感じたためか今は閉鎖してしまっている。ケモノ耳について語らせたら、その思いの熱さはたぶん日本で一、二ではないかという凄い人だ*1
が、そんなことはどうでもいい。ここで重要なのは、「鶴屋」という名前のほうだ。この日記で何度か鶴屋氏に言及したことがあるのだが、今年4月以降、それまでになかった現象が生じている。
この名前を書くと、それだけでアクセス数が伸びてしまうのだ。
もちろん、アクセスする人は別に知人の鶴屋氏に関心があるのではない。みんな「涼宮ハルヒ」シリーズに登場する鶴屋さんに関する話題を求めてアクセスしているのだ。いや、「みんな」というのは言い過ぎかもしれない。もしかしたら日本中に何人かはケモノ耳スキーの偉い人、鶴屋氏に関する情報を仕入れるために日夜検索エンジンを活用しているのかもしれない。絶対にそんな人はいないという断言はできないはずだ。でも、そんな人はごくごく少数だろうし、それ以外の大多数の人々にとっては全くの空振りに終わってしまうわけで、非常に申し訳ない気がする。ごめんなさい。
せめて、鶴屋氏のハンドルが「ハルヒ」の鶴屋さんに由来するということなら、多少は関係もあるので言い訳も立つ。冷静に考えれば言い訳にも何にもならないが、もともと申し訳なさ自体が特に意味のないものなので、これで十分払拭できるのだ。そうだ、鶴屋氏のハンドルの由来は鶴屋さんだったのだ。
……と書いたものの、よく考えてみれば鶴屋氏が「ハルヒ」を読んだ話を聞いた記憶がない。たぶん読んでいるとは思うのだが、その登場人物のうち脇役の一人に過ぎない鶴屋さんに特別な思い入れがあったのかどうかということになると、どうもそんなことはなかったのではないかという気がする。ネコ耳キャラじゃないし。
というわけで、結局、鶴屋氏のハンドルの由来はよくわからないのだが、ここを見ているほとんどの人にとって、一ウェブサイト管理人、しかも現役ですらない人のハンドルの由来など特に興味を惹くことでもないだろう。世間は冷たいものだ。で、この話題はこの辺で切り上げることにするが、「鶴屋」「鶴屋」と連発したので、「ハルヒ」関係でアクセスしてきた人のために、「ハルヒ」に登場する鶴屋さんの名前の元ネタについての探究を行っている記事にリンクしておく。正確にいえば、事の順序は逆で、この記事を紹介しようと思って、そのマクラのつもりで知人の鶴屋氏の話を持ち出したのだが、少々長くなってしまったようだ。
さて、「ハルヒ」の舞台巡りなど今となってはごくありふれたこととなってしまったが、さすがに鶴屋邸のモデルを探した人はぎをらむ氏くらいではないかと思う*2。その探求心には頭が下がる思いがするのだが、この記事を紹介した理由はそこにあるのではない。冒頭の一節を読んで興味を惹かれたせいだ。


諸君は、西宮市甲陽園某町なる「つる家」を御存じであろうか?御存じない。それは大変残念である。では諸君は名前だけが発見されて、偉大なる「つる家」自体はようとして紛失したことも御存知ないであろうか?ない。嗟乎。では諸君は僕がその筋の調査のために並々ならぬ困難を感じていることも御存じあるまい。
これを読んだとき、ちょっと驚いた。この文章は有名な小説の冒頭部分のパロディなのだが、失礼ながらぎをらむ氏がその小説を読んでいるとは意外だった。もちろん「ハルヒ」とは何の関係もない*3。たぶん、後天性無気力症候群を定期巡回している人々の多くにとっては全く意味不明の記述だろう。
で、ちょっと考えてみた。今ここで「さて問題です。この文章の元ネタとなった小説のタイトルと作者名を答えて下さい」と言ったら、誰なら即答できるだろうか、と。で、ますます失礼ながら、近々会いそうな人数人について予想してみた。
倍率ドン。

はてなID 倍率
id:p17n 8
id:kim-peace 10
id:hakuoh 1
id:kirisakineko 5
id:mmmichy 3

はらたいらさんに2000点」
篠沢教授に全部」
果たして予想が当たっているかどうかは、今度会ったときに訊くことにするが、この日記では人と会った話は原則として書かないことにしているので、結果の公表は行わない。
……ああ、またどうでもいいことを書いてしまった。

*1:以前、鶴屋氏にケモノ耳の真髄について伺い、ネコ耳ってどんなこと?―とっても萌えたいケモノ耳入門という文章にまとめたことがある。

*2:もっとも、「ハルヒ」関係のサイトを丹念にチェックしているわけではないので、見落としがあったらすみません。

*3:もっとも、「ハルヒ」のアニメ版は全く未見だし、小説版もかなり忘れてしまっているので、もしかしたら関連する話題があるのを見落としているだけかもしれない。