うつうつしてても凄い人は凄い

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

何が凄いといっても、日々の読書が凄い。
オビには「何もしてません。」と書いてあるが、よく読めば結構仕事をしているし、この日記そのものの執筆とも重なる時期もあるわけなのに、よくあれだけ本が読めたものだ、と感心した。
いや、読書量だけが凄いというわけではない。それなら、もっといっぱい読んでいる猛者が他にいくらでもいる。凄いのは、本の読み方だ。
うまく説明できないのだが、吾妻ひでおの読書には骨がある。暇つぶしや逃避のための読書であっても、読書家として一本筋の通った気概のようなものを感じるのだ。だから、ごく短い寸評*1であっても、そこに自らの見識についての誇りが滲み出ているのだ。
ああ、これは真似ができない。

*1:まあ、昔から寸評はごく短いものだと決まっているが。