ヴィクトリカの秋、小佐内さんの秋

GOSICK V』のあとがきでは


このあと、春か夏に三冊目の短編集が出る予定です。これは『ファンタジアバトルロイヤル』で連載中のもので、〈オールド・マスカレード号事件〉が終わって学園に戻ってきた二人の物語です。秋の始まり。旅の疲れで、特別寮にこもっているヴィクトリカを訪ねていく一弥。退屈しているヴィクトリカのために、花を一輪、それから不思議な物語をひとつ、差し入れるが、不思議な物語はヴィクトリカの手にかかるとさらに変容し、一弥を甘く魅了する……!
と書かれている。『ファンタジアバトルロイヤル』誌での連載は読んでいないのでどこまで進んでいるかは知らないが、この書きぶりだと、構想未熟のため発売延期ということは考えにくい。考えられる延期理由とすれば、他の仕事が立て込んで物理的に執筆時間がとれなくなった場合か、営業戦略上の都合*1でわざと発売を遅らせる場合などかあるが、人気シリーズの刊行ペースをあまり遅らせることはできないので、遅くとも来年秋までには出るものと思われる。
なお、桜庭一樹の執筆ペースについては、同じく『GOSICK V』のあとがきに次のように書かれている。

今回の原稿は「気合いを入れて書きますよ、だからわたしは、なんと缶詰になります。K藤さん!」と宣言して、自らを缶詰状態にして執筆しました。【略】
でも、これまでいっぺんも、缶詰になったことがありませんでした。どうしてかというと、わたしは頼まれなくてもプロットをつくって持ってきて、頼まれなくても原稿を書き、締め切りのだいぶ前に上がって、「おはようございます、原稿です!」「あっ、おつかれーしょん!」と原稿を配達する……いつも張り切り気味の作家なのです。
他方、〈小市民〉シリーズのほうは、汎夢殿予定情報一覧

題名 出版社 刊行時期 版形・叢書 シリーズ
秋期限定マロングラッセ事件(仮) 東京創元社 2007年夏 未定 未定

と書かれているとおりであり、早くとも来年冬までは出ないと推測できる。
つまり、小佐内さんの秋よりもヴィクトリカの秋のほうが先に来ると結論づけられる。

文中、論証の課程を一部省略しています。あしからず御了承ください。

*1:たとえば、アニメ放映などのメディアミックス戦略関連など。