「涼宮ハルヒの分裂」の構成と続きに興味があるなら「絶望系」を読もう

絶望系 閉じられた世界 (電撃文庫 1078)

絶望系 閉じられた世界 (電撃文庫 1078)

訳あって『絶望系 閉じられた世界』を再読している。この小説を最初に読んだのはおよそ2年前のことで、最後に読んだのも同じときだった。つまり、一回読んだきりでこれまで再読したことはなかった。
面白くなかったから、ではない。その逆だ。『絶望系』はむちゃくちゃ面白い小説だ。しかし、印象が強すぎて、再読の必要を感じなかったのだ。
いや、印象が強いから再読しなかった、というだけでは説明になっていないかもしれない。『絶望系』と同じくらい印象が強い*1砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)』や『ボトルネック』は何度も読み返している。
つまり、一回読んだきりだった本当の理由は自分でもよくわからない。
で、このたびの再読の話。
「訳あって」と先に書いたが、その「訳」とは、某氏に誘われて「夏コミで谷川流本を出すから原稿を書け」と言われたからだ。某氏のサークルが当選するのかどうか、いや、それ以前に本当に出るのかどうかがわからないので、まだこれは言ってはいけないことになっている。2つ前の文は記憶から抹消してほしい。でも、この文章の流れが理解できなくなるといけないので、3つ前の文を記憶から抹消するのは、最後まで読んでからのほうがいいと思う。
さてさて。
某氏からは次のように指示された。『絶望系』を取り上げて、「ハルヒ」シリーズしか読んだことがない人にその魅力をアピールして読書意欲を起こさせよ、と。なぜ『絶望系』? むちゃくちゃ面白い小説だけど、むちゃくちゃ紹介しづらいと思うんですが……。いやいや、だからこそだ。日記のタイトルを「一本足の蛸」にしているくらいだから、お前が適任だ。仮に適任じゃないにしても他に頼めるあてがない。じゃあ、『絶望系』だけスルーすればいいじゃないですか? だめだだめだ、谷川流ハルヒ以外の全作品を取り上げるというコンセプトの同人誌を作るのだから。あ、そんなひねくれたコンセプトをやめて素直にハルヒ本作ったほうが売れますよ、きっと。馬鹿野郎、貴様それでも谷川ファンか! 歯を食いしばれ! ぺしぺし、ぱしぱし。
……というわけで、真っ赤になったほっぺたを氷で冷やしながら、頭をひねって『絶望系』紹介文案を練っているところなのだけれど、全くいい知恵が浮かばない。ああ、いったいどうしたらいいのだろう?
そんなある日、というかついさっき、この記事を読んだ。ああ、これはいい。これなら、「学校を出よう!」シリーズを読んだことがない人に興味を持たせることができる。よし、同じ手で行こう。
……(ただいま検索中です)……
ああ、だめだ。
『絶望系』の感想を書いている人自体が少ないうえに、その多くが2年前に書かれたもので、当然のことながら『涼宮ハルヒの分裂』に言及していない。逆に『涼宮ハルヒの分裂』の感想文で『絶望系』に言及しているものもごくわずかだ。事態は絶望的だ。きっと『絶望系』の愛読者は閉じられた世界を形成しているのだろう。
う〜ん、困った。

追記(2007/04/27)

ネタ元の続報も併せて読んでください。

*1:ついでにいえば、印象の強さとは別の面でもよく似たところがある。