寝る前に歯を磨かないと切腹よ

sh(i)kibuton o
manamai mo kasaneta noni
so no sh(i)taniaru tatta (hi)totsubu
no en dô mame o...
Asa me ga sametara watashi wa
ase o bisshori kai te(i)ta
wa ta shi no nemaki wa
shizuku ga tareru hodo ase de nure
wa tas hi no karada ga
futon no
heya ju ga hido asekusakatta
watashi wa okiagari
sha wa (o) abi madogiwa kara
mionori da shi te shi tao mi ta
omone niva
yube ta non de o ita
ta k(u) shi ga chô do kitatokoro datta
sa ikuzo!
watashi wa
ichibanue no shikibuton o
hahanotokoro ni kaeshita
ni ma i me wa ny o bô no
san mai me wai
ny o bô no
inai toki ni neru futonda
yonmaime wa kimitachi no idakedo
mada oboeterudarô
gomaime wa kumiai ni
rokumaime wa
ȩ to da re no dakke
nanamaime wa...

行きつけのレコード店で変なCDを2枚買った。
1枚はおっちゃんが絶叫している変な写真をジャケットに使っている。辛うじて声楽作品集だとわかるが、作曲者の名前*1にはアクセント記号っぽい記号とかウムラウトみたいな記号とかがついていて、何と読むのかわからない。第2曲のタイトルが「Harakiri」だったので興味を惹かれて買った。
もう1枚は人形が首を吊っている写真をジャケットに使っている。タイトルは「The Hanged」。そのまんまだ。こっちも作曲者の名前*2は読めない。
いろいろ調べてみると、どうも前者の作曲者は「ペーター・エトヴェシュ」または「ペーテル・エートヴェシュ」で、後者のほうは「ラースロー・デシュ」または「ラズロ・デシュ」または「ラースロー・デーシュ」と読むらしい。

早速、エトヴェシュの作品集のほうから聴いてみることにした。
変だ。
1曲目の「2つのモノローグ」は昔懐かしい前衛音楽といった感じで、まあこんなものだろうと思ったが、2曲目の「ハラキリ」が異様だ。作曲様式がどうこうというのではなくて、その歌詞が。
どうやら日本語らしいが、どうにもよく聴き取れない。そこで説明書に書かれていた歌詞を見てみたのだが……。
何、これ?
ところどころ誤植か誤記ではないかと思われるところもあるが、とりあえず、漢字仮名交じり文に書き直してみよう。

敷布団を七枚も重ねたのに、その下にあるたった一粒のエンドウ豆*3を……。
朝目がさめたら私は汗をびっしょりかいていた。
私の寝間着*4は雫が垂れるほど汗で濡れ、私の体が、布団の部屋中が、ひどく汗臭かった。
私は起き上がりシャワーを浴び、窓際から身を乗り出して下を見た。
表には昨夜頼んでおいたタクシーが丁度来たところだった。
さあ、行こう!
私は一番上の敷布団を母のところに返した。
二枚目は女房の、三枚目は女房のいない時に寝る布団*5だ。
四枚目は君達のだけどまだ覚えているだろう。
五枚目は組合に、六枚目はえっと誰のだっけ?
七枚目は……。

説明書によれば、この「ハラキリ」はハンガリーの詩人István Bálintが三島由紀夫の割腹自殺に影響を受けて作った詩をDr Shingo Yoshidaが日本語に翻訳したものだという。ほかにもいろいろ書いてあった*6が、英語読解力不足で意味がつかめなかった。もしかしたら、今書いたことにも間違いがあるかもしれない。
それはともかく、世の中には不思議な音楽があるものだ、と思った。
さて、引き続き「首吊り」のほうを聴くことにしよう。これも変だと楽しいのだが。

*1:「Péter Eötvös」だと思うが違っていたらごめん。ちゃんと表示されない場合もごめん。

*2:László Dés」だと思うが(以下略)。

*3:「エンドウ」を漢字で書けば「豌豆」だが、そこに「豆」を付け加えて「豌豆豆」と書くと少し変なので片仮名にしておいた。

*4:「寝間着」と「寝巻き」、どっちが正しい表記なのだろう?

*5:英訳ではこの部分は「the third mattress to the girl, I used to sleep with as well as my wife」となっている。

*6:「an Andersen tale」というフレーズがあったが、アンデルセンの童話のことだろうか?