とりあえず全部読みました

探偵小説の論理学

探偵小説の論理学

この本を読むのは正直いって辛かった。途中でいったん読むのを中断して2週間ほど放置していたほどだ。このまま読むのをやめようとしたこともあった。でも、先日来のミステリと論理を巡る話題に関わってみて、いちおう最後まで読み通しておいたほうがいいかもしれないと思い直し、つい先ほど読破した。自分で自分をほめてやりたいほどだ。
この本は大きく三部に分かれる。
第一部は「現代論理学の形成と動向」と題されていて、主に20世紀初頭の論理学の哲学と数学の哲学を概観したものとなっている。これが非常にしんどい。はっきり言って何が書いてあるのか、わけがわからない。
続く第二部は「探偵小説の論理と公理」で、この本のメインとなる部分だ。主にラッセルとクイーンの関係について論じている。これも非常にしんどい。はっきり言って何が書いてあるのか、わけがわからない。
最後の第三部は「ロゴスコードの変容と論理物語の新潮流」という見出しで、西尾維新を中心とする最近のミステリ界の動向を様相論理学を援用して読み解いている。これも非常にしんどい。はっきり言って何が書いてあるのか、わけがわからない。
わけがわからないので詳細なコメントは避けるが、2点ほど指摘しておきたいことがある。

  1. ゲーデル,エッシャー,バッハ』の著者名は「ホフスタッター」である。「ホフマンスタール」ではない。
  2. 文中で2人の「ルイス」*1が区別されていないのは不親切ではないだろうか。

Amazonでは五つ星がついているくらいなので読む目のある人が読めば良書なのかもしれないが、浅学非才の身には理解が及ばなかった。この本の正当な評価は後世の史家に委ねたい。