シリーズもののキャラクター小説は苦手です

キャラクター小説はキャラ*1の魅力を浮きだたせるため、どうしても長くなりがちだ。長い小説を読むのはしんどいので、それだけでキャラクター小説への評価が下がってしまうのだが、それでも1作だけなら体調がよくて一気に読み通せた場合にはそれなりに面白いと思うこともある。
だが、それがシリーズものになると、もういけない。
「このキャラがまさかこんな行動に出るとは!」とか「そのキャラがまたやってくれたよ!」とか、「実は、あのキャラとどのキャラ*2に意外な過去が……!」という展開を見るたびに「ええと、?」と思ってしまうのだ。
完結したシリーズなら最初から順番に間をおかずに読み進めれば、前作の記憶が薄れる前に読めることもある。でも、同じ作家の小説を続けて読むと飽きるから、できれば休み休み読みたいものだ。現在進行中のシリーズだと、もとより続けて読むことは不可能だし。
昔のミステリなんかだと、シリーズものでも名探偵とワトソン役、あとは雑魚が何人かしかいなかったから、前作の記憶が薄れていても何も支障はなかった。『三つの棺』を読むのにテッド・ランポールが過去の作品のどれとどれに登場してどんな行動をしたか、なんて知識は全然いらないでしょ?
「キャラを忘れたからシリーズの続きを読めない、なんて読者の怠慢だ。忘れないようにメモをとれ。それでも忘れたら読み返せ」と熱心な読者は言うかもしれない。でも、そんなしんどい読書はしたくないよ。
「魅力あふれるキャラクターたちが織りなす波瀾万丈の群像劇」なんかじゃなくて、もっと軽い小説が読みたいなぁ、と思う今日このごろなのでありました。すっかりとしをとってしまった。

*1:「キャラクター」と「キャラ」を意図的に使い分ける向きもあるが、ここでは単に略語として用いる。

*2:「こそあど」を順番に使ったら日本語としておかしい言い回しになってしまった。ごめん。