印刷会社と出版社の力関係

「この世界で一番強いのは、傲慢な売れっ子作家でも豪腕編集者でも、編集長でも社長でもない……印刷屋のオヤジだっ!」

【略】

現実振り返ると、所詮印刷会社は請負業者であり、ぶっちゃけお金の上下位置関係からすると版元さんには頭あがらないのが現実なんですけどね(汗

締め切りを守らせようとする印刷会社より、ハイハイヘコヘコとやる会社の方に仕事は流れていくんですよ、えぇ。まぁウチの会社というか僕とか平気で「あ、無理ッス」って言っちゃうんで全然仕事こないんですけどww

出版仁義って言うか人として大事なことと言うか、いわゆる「わかってる」編集さんとかは、その位置関係を超えて言ってきてくれるのがありがたいって言ってくれます。

小説家やマンガ家と編集者の関係とか、書店と取次の関係とか、その種の業界ネタはわりとネット上によく転がっているが、意外と印刷会社は盲点になっているような気がする。同人方面だと、落ちた落ちないという話から、乱丁落丁その他のトラブルまで、印刷会社にまつわる話題に事欠かないのだが、考えてみれば商業出版でも印刷会社の重要性は同じなわけで、いや飯の種がかかっているのだから、もっと注目されてもいいはずなのだが、何となく視野からすっぽりと抜け落ちてしまっていた。
かつて、少年少女科学倶楽部で「スタッフ萌え」という言葉/視点を知ったときに、「なるほど、本にはこういう楽しみ方もあるのか」と感心したものだが、印刷や製本に携わる人々も本づくりのスタッフなのだから、そっち方面に目を向けてみるとまた違った新しい世界が開けてくるのではないか、と思った。
ところで、

前回の話、文字校の日数とかは書いてませんでしたので何で3ヶ月よ?って思われた方が多いと思いますが、日数書いちゃうと標準スケジュールが大体わかって、関係各社の方は「あぁ、あそこの営業さんね」って即バレするもんで……(汗

それなりの手がかかってるから時間かかってるんですよーくらいに思ってください。

ここで書かれている「前回の話」というのは、各駅停車は当駅を通過いたします:幸せというのは……を指すのだと思うが、これを読んだ知人が「少なくとも中央精版印刷暁印刷でないのは確か」と断言していたことを思い出した。