観光産業という魔物
- 作者: 篠田節子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/15
- メディア: 文庫
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この面白さを未読の人に説明することは難しいのだが、強いていえば、『ツィス』と『亜空間不動産株式会社』と『紳士同盟』*1を足してかき混ぜたような感じだ。
もっとも印象に残ったのは483ページの次の一節。
考えてみれば第四次産業、観光などというもの自体が胡散臭さなしには、成立しない。どうということもない海や山、小さな歴史上の出来事にもったいをつけ、何かありがたげなイメージを作り上げて、訪れる物好きを幻惑して非日常を提供するのが観光産業なのだから。
以前から何となくぼんやりと感じていたことがストレートに述べられていて、思わず膝を打った*2。
観光による地域振興に関心のある人には必読の一冊と言えよう。そうでない人もぜひ手にとってみてほしい。