久しぶりに興味を惹かれたミステリ

サークル「安楽椅子犯人」が作成したノベル形式のミステリゲーム『小此木鶯太郎の事件簿-湖岸の盲点』の問題編が、明日7月28日に公開される。8月11日午前1時まで解答を募って、8月13日に解答編が公開され、また、正解者の中から13名に総額10万円の賞品がプレゼントされることになっている。
このゲームの情報は、つい先ほどコンバンハチキンカレーヨ再紹介記事で知ったばかりで、事前の予備知識もなければ、製作スタッフと縁もない*1。件の紹介記事のほか、公式サイトに掲載されている情報を拾い読みした程度だが、大いに興味を惹かれた。
その理由はふたつ。

 たいていの〈読者への挑戦〉ものは、「読者に解かれないこと」を目指して書かれます。私が学生時代に属していた推理小説研究会では「読者に解かれない」ためにありとあらゆる奇策が考えられてきましたし、私自身も〈読者への挑戦〉ものを書くときは、絶対に真相を見破られないようにしてやろうと考えていつも筆をとってきました。

 しかし、「湖岸の盲点」はそうではありません。読者に対する引っ掛けも、反則すれすれの超絶技巧もありません。あくまでもオーソドックスです。

 それは、この作品が、「読者に解かれないこと」ではなく、「読者に考えさせて解かせること」を目的とした作品だからだと思います。真相に至るまでにあれこれ考える楽しさや、真相に至ることができたという喜びを読者に与えるべく書かれた作品だからだと思います。だから、たとえ難しかろうとも、手がかりを丹念に拾い上げて地道に考えれば、きちんと解けるようになっているのです。

「正解率1%」みたいなハッタリ勝負ではなく、本当のミステリを目指しているということなのだろう。この姿勢を評価したい*2
もうひとつの理由は副次的なものだが、

また、スタッフで音楽を担当していた人が第2回ノベルジャパン大賞・大賞受賞・作家デビューというのも面白い。このへん、ライトノベルを好きな方が、ミステリへ興味を示してもらえると期待したい。

スクランブル・ウィザード』はノーチェックだったし、その作者についても何も知らないのだが、deltazulu氏のレビューを読むと、なかなか面白そうだ。『湖岸の盲点』では効果音作成やテストプレイヤー程度の参加だそうなので、ゲームと小説の間に内容面で関連はないと思われるが、それにしても新進ライトラベル作家とガチガチのパズラーという取り合わせが興味深い。
実際にプレイするかどうか*3、プレイしたとしても解答を応募するかどうか*4は未定だが、明日になればとりあえずゲームをダウンロードしてようと思っている。

*1:もしかしたら、どこかでニアミスしているかもしれない。

*2:未プレイの段階で評価してしまうのは早計てはないかとも思うが、大山誠一郎のコメントなら信用できるはずだ。

*3:操作性やプレイ時間によっては途中で投げる可能性もある。

*4:当たり前だが、考えてわからなければ応募しようがない。