一迅社文庫2008年10月刊行全3冊の感想
前月までの感想文
はじめに
特に深い意味があるわけではないですが、唐突に「新規レーベルを応援してみよう!」と思い立ったので↑にある宣伝バナーを、一迅社文庫応援バナーに変えました。
また、来月の刊行予定を見てみると3冊しかなく「これはもしかしたら半年ぐらいはコンプ維持できるかも……?」と思い、とりあえず創刊ラインナップの7冊は全買いしました。
どのタイミングで諦めるかは分かりませんが、追えるところまでは追ってみようと思います。とりあえず来月刊行予定の3人は、いずれも嫌いな作家ではないので楽しみに待てます。
そろそろ一迅社文庫を毎月追い続けるのが困難になってきました。
ひいこら言いながら読むのも何なので、一迅社文庫全買いと言うのは止めて、好きな作家・好きなシリーズだけ追うことにします。
しかし、いやあ、ひとつのレーベルを追い続けるのって、中々にハードですね。
……ひとつのじだいがおわった!
それはともかく、以下、各作品の感想を読んだ順に。
さくらファミリア! 2
- 作者: 杉井光,ゆでそば
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2008/10/20
- メディア: 文庫
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ただ、『さくらファミリア! 2』では杉井光の作品で初めて次巻に続くことが明確に示されたということは特筆に値するだろう。
『さくらファミリア! 2』のあとがきを読むまで気づかなかったのだが、これまでの本は必ず最後に「了」と書かれていたそうだ。『火目の巫女』も『神様のメモ帳』も『さよならピアノソナタ』も3巻ずつ出ているが、確かにそれぞれの巻はそこでお話が完結しても違和感がないような終わり方になっている。その意味については説明するまでもないだろう。
今回、初めて明確なヒキが盛り込まれたことは、作者だけでもなく、デビュー作からずっと読み続けてきた読者にとっても感慨深い。願わくは、無事『さくらファミリア! 3』が出ますように。
……と書いておいたところで、素直な感想を言わせてもらうと、この題材はちょっとヤバめなので早めに店じまいしたほうがいいのではないかと思う。
女帝・龍凰院麟音の初恋 2
- 作者: 風見周,水月悠
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2008/10/20
- メディア: 文庫
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鏡原れぼりゅーしょん
- 作者: 林直孝,相澤こたろー
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2008/10/20
- メディア: 文庫
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ただ、一つだけどうしても看過しがたい記述が88ページから91ページにかけて見られる。
バカにしたような笑い声を上げていたアントニオを、垂直落下式ブレーンバスターでベッドに沈めてやった。
【略】
ベッドに八つ墓村状態で突き刺さっているアントニオが、そのままの姿勢で神妙に語り出した。
【略】
人形の目がキュピーンと光った。八つ墓村状態でそれをやられるとかなりのホラーだ。
おわりに
今回の3作品は「ちょっとえっちな学園ラブコメ」という点が共通している*2。今月2巻が出る予定だった*3『死神のキョウ』も同じ路線だ。そろそろ一迅社文庫の主軸が固まりつつあるのだろう。
レーベルの方向性が確立して安定するのはいいことだ。でも、その一方で、たまには『黒水村』のような、ライトノベルの枠からはみ出したような作品も読んでみたい*4という気もする。
ところで、公式サイトによれば、来月の新刊は
- 『死神のキョウ 2』作:魁 / 絵:桐野 霞
- 『羽矢美さんの縁結び』作:深川 拓 / 絵:美弥月 いつか
- 『なにいろアスタリスク!』作:桜庭 わかな / 絵:猫生 いづる
だが、『死神のキョウ』は1巻の出来映えから考えて危なげないものの、『羽矢美さんの縁結び』は少し不安がある。そして、書影も粗筋紹介もない『なにいろアスタリスク!』に至っては……不安を通り越してわくわくしてくるくらいだ。
とりあえず来月も3冊全部読むことになるだろう。
*1:3月に出たのは『さよならピアノソナタ 2』で、12月に出る予定なのは『さよならピアノソナタ 3』。どちらも電撃文庫から。
*2:もうひとつ、記憶や意識に関わるネタを扱っているという共通点もある。
*3:来月に延期になった。
*4:先月の『ドラマチック・ドラマー遊月』もある意味ラノベの枠からはみ出しているが……。