2008年ライトノベル読み納め

らぶジェネ! (MF文庫J)

らぶジェネ! (MF文庫J)

しないの。 (HJ文庫)

しないの。 (HJ文庫)

昨日、品川駅構内で3冊まとめて購入し、昨日のうちに読み終えた。今日はもう何も読みたくない気分なので、この3冊が今年の読み納めということになる。
この3冊を選んだことに特に意味はないが、強いて挙げるなら

  1. 専門書店ではなくライトノベルは新刊中心にごくわずかしか置いていないところで買った。
  2. コミケの待ち時間や帰りの新幹線の中で読むことを前提に、あまり内容の重そうなものを避けた。
  3. カバー絵や粗筋紹介をみて面白そうなものを選んだ。

ということになるだろうか。
以下、簡単に感想を書いておく。

『らぶジェネ!』

本田透MF文庫J初登場作。あっちこっちのレーベルで本を出している人*1なので、てっきりMF文庫Jでもいくつか出していると思っていたので少し意外だった。
本田透の本はほかに『ライトノベルの楽しい書き方*2しか読んでいないが、ライトノベル作家としては比較的クセのない王道パターンをきっちりと書く作家というイメージがある。『らぶジェネ!』では、二次元の世界の女の子が三次元に現れるというベタすぎるほどベタな設定をうまく調理して楽しいラブコメに仕上げている。新奇なネタを扱わなくても腕のいい料理人の手にかかれば上質な料理に舌鼓を打つことができるという好例だろう。

『小学星のプリンセス☆ 2』

小学星のプリンセス☆』の続篇。前巻の感想で「『小学星のプリンセス☆』はこれできれいにまとまっているので続篇はないと思う」と書いたが、予想が外れた。特に続きが気になる作品ではなかったので、正直どうしようか迷ったのだが、あえて1巻で見切ることもないだろうと思って読んでみることにした。
小学生の姿のまま大人になる小学星人という出オチのインパクトはもうないが、きまじめなほど折り目正しい恋愛物語は健在で、1巻より深く掘り下げられている。物語の寿命が尽きたシリーズを無理矢理引き延ばしているような苦しさはなく、むしろ初々しいカップルの成長と関係の深まりをもっと読んでみたいという気分になった。
ところで、この本のあとがきには

とある書評サイトさんによると、この作品はラブコメではなくラブロマンスなのだそうです。

と書いてある。「とある書評サイト」というのがどこのことかは明記されていないが、「たぶんここのことでは?」と思ったサイトがある。

しかーし! これはれっきとした純愛ストーリーです! ラブコメで片付けてしまうのすらもったいない。先入観に囚われずぜひお読みください。

一見するとどうしても「ロリコン」という単語がちらつきますが、むしろ純愛。イロモノではなく、ラブコメと言うよりも純愛な物語。

『しないの。』

口絵が凄くエロかった。以上!
……と書くと、小説そのものはつまらなかったからコメントを控えたのだと誤解されそうなので、もう少しだけ。
『小学星のプリンセス☆ 2』のあとがきにも登場(?)する「鯨先生」は、いけぬこ研究会とも縁が深いようだ*3が、別に作家の交友関係で作品の面白さが決まるわけではない。予断を排して厳粛に吟味せねば……と思って読み始めたのだが、すぐにそんなことはどうでもよくなってしまった。
歴史に残る傑作などでは決してないし、年間ベストにランキングすることもないだろうが、個人的には非常に楽しめた。皆さんにお勧めしたい*4逸品だ。でも、内容紹介とか読みどころ解説などはしない。言いたいことはただひとつ。
口絵が凄くエロかった。以上!

*1:本田透 - Wikipedia参照。

*2:GA文庫から既刊2冊。

*3:トキワ荘に喩えるなら園山俊二つのだじろうのポジションだろうか? よくわからないので、ご存じの方はこっそり教えて下さい。

*4:ただし「オールタイムベストライトノベルは『南青山少女ブックセンター』だ」と常日頃主張している人間の言うことなので、ラノベサイトの目利きの方々ほどの権威はありません。念のため。