Die Eule der Minerva beginnt erst mit der einbrechenden Dämmerung ihren Flug

剣の女王と烙印の仔〈1〉 (MF文庫J)

剣の女王と烙印の仔〈1〉 (MF文庫J)

この小説を読んで思い出したなぞなぞがある。確か、芦ヶ原伸之のパズルの本で知ったのだと思うが、今手許に本がないので正確な引用ではない。ともあれ、こんななぞなぞだ。
「女性の足の指と指の間には1箇所すばらしい性感帯がある。さて、それはどの指とどの指の間か?」
答えは書かないが『剣の女王と烙印の仔I』の274ページを読めば自ずとわかるはずだ。
剣の女王と烙印の仔』はもちろん女性の性感帯を探究する小説ではない。前作『さくらファミリア!』とはうって変わって、エロもコメディもないシリアスな剣と魔法の物語だ。魔法はあまり出てこないけど。
デビュー作『火目の巫女』に雰囲気がやや似ているかもしれないが、重い設定のわりには、あまり鬱展開にはならない。『火目の巫女』のどうしようもない閉塞感が個人的には気に入っていたのだけど、常識的に考えてこちらのほうが受けはいいだろう。杉井光の小説としては初めて1巻目に巻数表示が入っているのは伊達ではない。次巻へのヒキの箇所の「託宣」に思わずにやけてしまった。次も大いに楽しませてくれそうだ。