むかしむかしサイがきた

サイのクララの大旅行―幻獣、18世紀ヨーロッパを行く

サイのクララの大旅行―幻獣、18世紀ヨーロッパを行く

18世紀半ばにインドからヨーロッパに連れてこられたメスのサイ、クララを巡る物語。基本的には史実をベースにしているようだが、史料の欠落を大胆に想像で補っているため、まるで歴史に材をとった小説のような印象を受けた。1頭のインドサイを通じて、ヨーロッパの美術、工芸、物産、メディア、広告、博物学、風俗、交通などさまざまな分野の知が縦横無尽に引用・参照されるのは見事で、大いに知的好奇心をそそられる。いい本でした。