なぜ『このライトノベルがすごい!』大賞の選考委員にはラノベ作家がいないのか?
『このライトノベルがすごい!』大賞/選考委員紹介をみて、「偏った人選だなぁ。なぜこうなったんだろう?」と疑問に感じた。
特別選考委員が女優だというのは話題づくりだからいいとして、最終選考委員の面々が
タニグチリウイチ (書評家)
勝木弘喜 (ライトノベル・フェスティバル初代実行委員長)
極楽トンボ (評論家/HP「まいじゃー推進委員会!」管理人)
工藤淳 (「まんが王八王子店」小説担当)
「コミックとらのあな」書店員
というのはどうだろう? ライトノベル・フェスティバルの現在の実行委員長は入っていないのかなんで実作者が一人もいない*1のだろうか。
好意的に解釈すれば、
mizunotori ライトノベル, 新人賞 審査員の人選が徹底してる。読者目線の新人賞? 2009/09/08
ということになるのだろうが、それよりもむしろ
otokinoki 悪いとは言えないが、あと二人、元ラノベのプロ作家&重鎮がいたらいいなぁ/「頑迷な旧い権威付け」+「この人に言われたら逆らえないないなぁ」というのも重要なんですよ 2009/09/08
という意見のほうに共感する。
そこで、この賞の選考委員にラノベ作家が入っていない理由をいろいろと考えてみた*2のだが、先行する『このミステリーがすごい!』大賞の選考委員紹介ページや同時開始の『このマンガがすごい!』大賞の選考委員紹介ページ*3をみても、作家/マンガ家は一人もいないので、たぶん宝島社の方針*4だと考えるのが妥当なのだろう。
『このミステリーがすごい!』大賞は最終選考委員だけでなく1次・2次選考委員の名前も公表しているが、『このマンガがすごい!』大賞と『このライトノベルがすごい!』大賞は最終選考委員の名前しか出ていない。さすがに「1次選考=最終選考」ということはないだろうから、まだ下読みの人選が確定していないのだと思われる*5。それは別に構わないのだけど、
「コミックとらのあな」書店員
というのは、まだ誰にするのかが決まっていないのか、それとも「コミックとらのあな」が会社として選考委員に加わるということなのか、少し気になった*6。
*1:いや、もしかしたら別名で小説を書いている人がいるかもしれないが、そんなことは知らない。
*2:我ながら面白い解釈を思いついたが、面白すぎてここには書けません。
*3:今見たら、このページのタイトルが「『このマンガがすごい!』大賞/募集要項」になっていた。これは「『このマンガがすごい!』大賞/選考委員紹介」にするべきだろう。
*4:ただし日本ラブストーリー大賞の最終選考委員の中には作家がいる。
*5:もっとも、他社の賞では最終選考委員以外は非公表とするほうがふつうだ。
*6:ついでにいえば、「まんが王八王子店」小説担当の人の名前を見て「あれっ、この人ジュンク堂の店名の由来になった人じゃなかったっけ?」と思ったのだが、たぶん同名異人だろう。ミステリ界には出版社社長から書店員に転身した戸川安宣という凄い人がいるが、このような例はごく稀だ。