武雄市には他に「わたしたちの新幹線課」もあります

最近、いろんな自治体でこの手の婚活パーティーが開催されている。しかも主催に市役所や町役場が絡んでいるというのがポイント。

こういうのは地方都市、どちらかという過疎地でやるものだと思っていた。京都みたいな大都市でもやるのか。少し驚いた。

主催は京都市文化市民局共同参画社会推進部勤労福祉青少年課となっている。婚活と共同参画社会となんの関係があるのかよく分からないが、テキトーな担当部署がなかったのだろうか。

この記事を読んで、ふと思い出したのが佐賀県武雄市の「お結び課」だった。

お結び課では市内の独身男女の仲をとりもつ「お結び事業」に取り組んでいます。

結婚したくてもなかなか出会いの機会に恵まれない方へのお手伝いをいたしますので、ぜひ(勇気を出して!!)お申し込みください。

また、ご相談にも応じますのでお気軽にご連絡ください。

別に市内の男女どうしで結婚しなくてもいいじゃないか、と思ったのだけど、市内vs.市外だと結婚後に市内に定住してくれるかどうかがわからないので、あえて条件を絞ったのだろう。役所仕事といえば役所仕事だが、役所仕事は無償のボランティアではないから、まあ仕方ない。
ところで、

少子化対策のためにも税収アップのためにも若い非婚者に結婚してもらわないと困る。最近の若い者は非モテとか草食系とかオタクとか恋愛に奥手なヤツばかりだし、ちょっと出会いの場でも設けてやろうか。オ前達ノ父母兄弟ハ独身ノ貴様ノ身ヲ案ジテ皆泣イテオルゾ

……という既婚経営者たちや自治体職員のお節介心があるのだろう。

これはちょっと首を傾げた。たぶん、「既婚経営者たちや自治体職員のお節介心」などどこにもない。あるのはただ「若い非婚者に結婚してもらわないと困る」のほうだけだろう。非婚者を放っておいても労働力の再生産が見込まれるなら、商工会も役所もたぶん余計なお世話はしないだろう。というか、実際、昔は公共(的)団体主催の婚活イベントなんかなかったわけだし。この文脈にパターナリズムを読み込むのはちょっとピントがずれてるんじゃないかと思った。
閑話休題
武雄市に話を戻そう。
この市に「いのしし課」というユニークな名前の課があることは、『地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)』で知った。確か「佐賀のがばいばあちゃん課」のことも紹介されていたように思う。が、「がん検診率向上課」という課があるのは知らなかった。じゃあ、ほかの課もみなこんな感じなのかと言えば、「総務課」とか「建設課」とか「市民課」とか「水道課」とか、ごくありふれた名前の課のほうがずっと多い。このアンバランスさが妙に引っかかる。あと、気になったのは「支援課」だ。課名だけでは何を支援する課なのかがわからない。「こども部支援課」と部課名を続けて書けばすむ話なのだけど、課名だけで何とか通じるようにならないか。できれば漢字4字以内で……などと考えているうちに夜が更けた。