玄関口に起爆剤を仕掛けたら……

鳥取県中部の玄関口となるJR倉吉駅が生まれ変わる。自由通路(幅6メートル、延長46メートルの歩道)の整備で駅を挟んで南北に分断されていた地域が一体化され、駅周辺を拠点に新たな「にぎわい創出」が期待される。人口減や商業活動の停滞で市の活力低下も指摘される中、未開の地だった駅北開発を活性化の”起爆剤”にできるか-。官民の連携と知恵が試されている。

山陰本線の列車に乗って倉吉駅を通過したり乗り換えたりしたことはあるが、駅から外に出たことは一度もないので、駅付近の状況のことはよく知らない。「鳥取県中部の玄関口」と言われるほど立派な駅なのだろうか? 三朝温泉投入堂など近隣の有名観光地へのバスが倉吉駅から出ているようなので、公共交通の結節点であることは間違いないが、そもそもこの地域で公共交通がどの程度のウエイトを占めているのかがわからないと何とも言えない。
と、思いながら読み進めていくと、次のように書かれていた。

JR米子支社によると、09年度の倉吉駅の1日当たり乗降客は4388人(1994年度比約2千人減)。利用者の半数は通学者。

うーん。起爆剤を仕掛けても、それを受けて爆発する燃料のほうが不足しているのではないだろうか。
開発可能な更地があって、そこに資本を投下して何らかの施設を建設すれば、どんどん地域が活性化して賑やかになっていく。そんな景気のいい話が実現するような時代ではないのは、誰の目にも明らかだと思うのだが。駅北が「未開の地」だというなら、中途半端に手をつけてまちを拡散させずにこのままそっとしておいたほうがいいのではないか。いや、それなら、そもそも多額の費用をかけて橋上駅化しないほうがよかった、という話にもなりかねない。駅舎完成で事業終了というわけにいかない大人の事情もあるのかもしれない。
どうしても開発しないといけないのなら、テーマパークを誘致するのはどうか。たとえば、世界最古のテーマパークと呼ばれるデンマークチボリ公園をモデルとして倉吉チボリ公園を開設するとか。そうすれば、日本全国、いや世界中から観光客が押し寄せることだろう。もしこの案が実現すれば、閉園前に一度は倉吉を訪れてみようと思う。

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