迂闊

バブル経済の原因の一つとなったといわれる1985年のプラザ合意から、明日でちょうど20年。この節目に『少女には向かない』を買おうと思ったが、田舎の本屋でフライング発売しているわけもないので、かわりに「野性時代」を買ってきて、先ほど「辻斬りのように」を読んだ。「いつもの桜庭一樹」とみるべきか、それとも「桜庭一樹の新境地」とみるべきか、というようなことは後世の研究者に任せるとして、ひとつ気づいたことを書いておこう。
巻末の執筆者紹介ページで、弊社発売『ファンタジアバトルロイヤル』でも10月に短編掲載予定。と書かれているのだが……あれ、これって確か富士見書房から出ているんじゃ? そこで調べてみると、 富士見書房は会社ではないことがわかった。角川グループ関連会社のリストにも「富士見書房」は出てこない。
これはちょっとショックだった。知っている人にとっては常識だろうし、知らない人にとっては別に知る必要もないことだから、この事実そのものに驚いたというわけではない。
これまで何度も富士見書房の本の奥付を見ているはずなのに、そこに「株式会社」とも「有限会社」とも書かれていないことに今の今まで何の不思議も抱かなかったこと、それがショックの理由だ。