創世記
尊師ローケーシャを礼拝したてまつり、知恵浅き門弟たちが世のなりわいの諸相を学ぶよすがに、『日本標準産業分類(平成14年3月改訂)』を解説しよう。
- はじめ世界は混沌であった。種々の経済活動が分類されることなく、人々は日々せわしく暮らしていた。
- そこにブッダがあらわれて言われた。
- 「分別あれ」
- そのようになった。経済諸活動は、物の生産とサービスの提供に分けさせられた。ブッダはこれを見て、良しとされた。第一の日である。
- ブッダは言われた。「物の生産の中に取得生産と加工生産あれ」
- そのようになった。ブッダは取得生産を動植物と鉱物(採取・採鉱・探鉱)に分けさせられた。ブッダは動植物を陸と水(採取・採捕・養殖)に分け、陸を平地(栽培・飼育)と山林(育林・採取・採捕)に分けさせられた。
- ブッダは、平地(栽培・飼育)における動植物の取得生産を農業と呼び、山林(育林・採取・採捕)におけるそれを林業と呼ばれた。第二の日である。
- ブッダは言われた。
- 「水(採取・採捕・養殖)における動植物の取得生産を漁業としよう」
- そのようになった。ブッダはそれを見て、良しとされた。ブッダは鉱物(採取・採鉱・探鉱)の取得生産を鉱業と呼ばれた。第三の日である。
- ブッダは加工生産の中に不動産加工(建造物建設・土地造成)と商品加工(商品の製造)をあらしめられた。さらに、別の加工生産を後の創造のために取り置き、不動産加工(建造物建設・土地造成)を建設業と呼び、商品加工(商品の製造)を製造業と呼ばれた。第四の日である。
- サービスの提供は流通とその他のサービス活動と行政(立法・司法・一般行政)に分けさせられた。流通のうち、先に加工生産から取り置かれたものと合わせしめられたのが、エネルギー生産・流通(電気・ガス・熱・水の供給)である。ブッダはこれを電気・ガス・熱供給・水道業と呼ばれた。
- 流通のうち残るものは、情報の伝達・加工と人・貨物の移動と物の流通に分けさせられた。物の流通には動産があり、不動産(売買・仲介・賃貸・管理)があった。情報の伝達・加工は情報通信業であり、人・貨物の移動は運輸業であった。ブッダはこれを見て、良しとされた。ブッダは言われた。
- 「動産にかかる物の流通は商品の流通(販売)と金の流通(預金・融資・保険)となれ」
- そのようになった。ブッダはこれを見て、良しとされた。ブッダは商品の流通(販売)を卸売・小売業と呼び、金の流通(預金・融資・保険)を金融・保険業と呼ばれた。第五の日である。
- その他のサービス活動のうち、飲食・宿泊の提供は飲食店,宿泊業と呼ばれ、医療・社会福祉は医療,福祉と呼ばれ、教育・個人教授は教育,学習支援業と呼ばれ、各種サービスの提供は複合サービス事業と呼ばれ、その他サービスはサービス業(他に分類されないもの)と呼ばれた。
- 行政(立法・司法・一般行政)は公務(他に分類されないもの)となった。ブッダはこれを見て、良しとされた。第六の日である。
- 産業大分類は完成された。第七の日に、ブッダは御自分の仕事を完成なされ、第七の日に、ブッダは御自分の仕事を離れ、安息なさった。
- あとには、太古の混沌より伝わる分類不能の産業が遺された。
- これが、大分類19項目の由来である。
- 大分類19項目は中分類97項目に分かれ、中分類97項目は小分類420項目に分かれ、小分類420項目は細分類1269項目に分かれる。こうして、生きとし生ける人々が営むすべての産業は区分され、混沌(カオス)は宇宙(コスモス)となった。
『日本標準産業分類(平成14年3月改訂)』の解説のうち、「大分類」の章終わる。
この『日本標準産業分類(平成14年3月改訂)』の解説を通じて、わたくしが福徳を得たならば、それによってこの世間の人々が仏陀とならんことを。