予告されたインターネットの記録

あっ、これはやられた!
冒頭の掴み、中段のエピソード、語り口、そして結末が渾然一体となって、見事な作品に仕上がっている。最後まで読んでからあらためて読み返すと冒頭に手がかりがあからさまに提示されていた*1ことがわかる。もちろん、その手がかりがなくても書かれている事柄への違和感から薄々結末に気づくことはあるだろうから、必ずしも万人にとって意外な結末だというわけではない。けれども、1つのタグ*2にこめられた心意気は賞讃に値する。

*1:ウェブページを閲覧するのにいちいちソースを確認するという習慣をもっている人は少ないので、厳密な意味でのフェアプレイが担保されているかどうかについては議論の余地もあるだろう。しかし、多くの場合「論理的に結末の予測が可能か」ではなく「後から振り返ってみて、もし自分が注意深ければ論理的が結末が予測できたろう、と読者に思わせられるかどうか」のほうが大きなポイントだ。

*2:正確にいえば終了タグを合わせて2つだが。